大人の引きこもり・子供の不登校相談https://r.goope.jp/kubo-counseling/ -14ページ目

【エピローグ】


~数年後



二〇一七年 春




(みち)は5歳だったけど、お手伝いが好きだ。


ママが具合の悪い日は、路がお手伝いをする。


料理だってできる。


「だって私、お姉ちゃんだからね」(みち)の口癖だ。


洗濯物を畳むのだって上手だ。


「路、洗濯物畳むの上手だね」


「うん、路はなんでもできるよ」


父さんが言った。


「あはは、でも路、靴下は片方だけ畳むとわからなくなるんだよ」


「いいの、路は一個ずつたたむんだよ」


「そっか、エライね 笑」


そう言って路は、靴下も一つずつ畳む。


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優矢は3歳だけど、暴れん坊だ。


休みの日はいつもパパと戦いごっこをする。


「パパ、僕また強くなったよ」


「戦いごっこしようよ」


「いいよ、さぁこい」


優矢はいつもの構えをした。


右手と右足を両方とも前に出し、とても不恰好なのだ。


でも優矢はかっこいいと思っている。


顔は真剣なのだ。




優矢はいつも保育園の話をする。


園には同じ歳だが、体の大きい大将がいるみたいで


いつも突き飛ばされるらしい。


負けたことは、ママにしか言わない。


「今日もやられたらしいよ 迎えに行ったら先生が教えてくれた。優矢泣いていたんだって」


いつも路が、こそっと教えてくれる。


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休みの日には、いつも航空公園に行く。


遊具が沢山あるから、子供達は大喜びなのだ。



丘を登る時は、安心だ。


だって路が優矢の手を引っ張ってあげるから。


優矢は丘を登るのがまだ苦手なのだ。足がフラフラしている。


でも路に手を引かれるのは嫌がる。



「大丈夫だよ」って言う。


転びそうになると「お姉ちゃん」って言う。


だから路は一生懸命、優矢を助ける。


「お姉ちゃんがおんぶしてあげる」って言うと、優矢は「うん」って言う。


お姉ちゃんに甘えているんだ。



そんな時、路もフラフラしている。



5歳の女の子が3歳の男の子をおんぶして丘を登るのは無理みたいだね。





ママは、いつもそんな光景を優しく見ていた。