きみ風32 | 大人の引きこもり・子供の不登校相談https://r.goope.jp/kubo-counseling/

川上優太は思い出していた。


「ゆりかごメール」閉鎖の直前、


ひなたは、いくつかの告白をしていた。


病院のベッドから「ゆりかごメール」を続けていたこと。


そして、広島のスケートリンクで会ったのは、


妹の幸子だと書かれてあったこと。

         

                                     

TO: 優太
送信:2008/3/2 22:30

Re:

うん。思い出したよ。


あの時の女の子なんだね! かなりびっくりだよ 


本当に、スケートリンクで会った女の子なの?


どうしてあの時、君が来たの?

                                     優太


FROM:幸子
受信:2008/3/2 22:35

Re:Re

思い出して頂いて嬉しいです。


本当です。スケートリンクでお会いしたのは私です。


あの時は、ひっぱたいてごめんなさい。


詳しい話は、お会いした時でいいですか?

                                   幸子



TO: 優太
送信:2008/3/2 22:40

Re:Re:Re

わかりました。 


それじゃあ金曜日楽しみにしています。


その前でも、何かあればいつでも連絡下さい!

                                    優太



FROM:幸子
受信:2008/3/2 22:45

Re:Re:Re:Re

はい。ありがとうございます


金曜日 楽しみにしています。

                                     幸子


・・・・・・・・・・・・・・・・・


2008年 三月七日。

斉藤幸子と会う日がやってきた。



川上優太は、約束の喫茶店へ向かった。


「カランコロン」カフェの扉が軽やかな音を鳴らす。


店内には沢山の水墨画が飾られている。


今では誰も使用しない電話ボックスがそのまま残され、インテリアと


なっている。静かなコーヒー店だ。