なぜ東京ビッグサイトなのか!?
東京オリンピックのメディアプレスセンターに東京ビッグサイトが使用されることで、展示会業界が困っています。
東京オリンピックの開催期間中だけでなく、前後に大規模設備工事と撤去工事が入るため、東京ビッグサイトは東ホールを中心に来たる2019年8月から2020年の11月まで使用できません。
そのため、本来であれば東京ビッグサイト開催の展示会が、幕張メッセやパシフィコ横浜へ疎開したり、大阪開催を厚くしたりするなどの対策が講じられています。
スポルテックはまとまった会場がとれず、2019年会期を5月と7月の2回にカテゴリー分けして開催するという変則ワザ。
機械要素技術展に至っては、2019年の東京開催を2月に繰り上げましたが、2018年開催が6月でしたから、あまりにも近すぎる。
毎年出展していた企業も、6月と翌2月では年度内に2回の出展になりますから、予算の関係で出展を見送ったところも多数出ました。
次回の東京開催は、2020年2月に幕張メッセ、となります。
疎開先会場としては、東京ビッグサイトの増築が行われ、[ゆりかもめ]線でひと駅手前の青海に別棟が建設されたりもしました。
青海の場所はもともと駐車場でしたが、今回のように急ごしらえができるなら、この新会場をメディアセンターにし、オリンピック以降は展示会場としても活用する、としてもよかったのではないかと思わずにいられません。
あるいは、築地市場の跡地を一時利用するなら、足回りも便利でよかったのではないかとも。
または、豊洲や晴海周辺のビジネスホテル5棟くらいを開催期間中だけ借切りにしてプレスセンターとして活用してもよかったのではないか。
東京ビッグサイトの設備工事だけで250億円払うというのですから、ぜんぜん安く上がったはずです(というか宿泊費が別途かからなくなる記者たちから宿泊料金を取れるとすると浮くのでは??)。
展示会出展で販路開拓をする企業も困りますが、展示会で食っている業界の人はもっと困ります。
ブース設営の専門業者さんの中には、これを機に廃業するところも出るだろうと噂されています。
御多分に洩れず、もともと高齢化が進んでいた業界ですので、止めようもありません。
展示会で仕事をするナレーターモデルの人が商工会議所の展示会活用セミナー講師に招かれたものの、展示会ノウハウはほとんど語らず、東京ビッグサイト使用に反対する運動への賛同を要請して炎上したというケースも出ました。
かつてより、先進国としては展示会場の面積が足りていないと指摘されてきた日本。
もう少し早くから対策がなされていれば、事態はここまで先鋭化せずにすんだといえるでしょう。
■東京ビッグサイト キャラクター さいとみらい