なんで[メルカリ]なんだろう
近々、株式公開されるといわれているメルカリ。
ネーミング方面の興味から、なぜ[メルカリ]と命名したのだろう、と思っていました。
「メル」はなにかファンシーな響きがします。「カリ」は、借りるでしょうか。
なんでも借りられちゃう「めちゃ借り」が、かわいらしく「メルカリ」になったのでは? などと想像していました。
ところが、調べてみましたら、メルカリとはラテン語で「商売をする」という意味なんですね。
ちゃんと語源がある。でも、売買サービスなのに「借り」という響きはどうなんでしょう。
たまたま成功したからよかったものの、失敗していたら「ネーミングのせいでは」と指摘されかねないワードです。
さて、このメルカリを提供している会社は社名もメルカリですが、もともとは「コウゾウ」という社名でした。
メルカリの成功を受けてサービス名と同じに社名変更をしたのです。
以前、ブランド名を社名にしてしまった大手企業の記事を書きましたが、ベンチャー系、IT系の企業もブランド名、サービス名を社名にしてしまった会社がたくさんあることに気がつきました。
コイン → クックパッド
CFO → freee
ゴクロ → スマートニュース
NHN japan → LINE
ギャラクシーエージェント → AKIPPA
ジェイド → ロコンド
ロケットスタート → nanapi
EC studio → ChatWork
フューエル → ウォンテッドリー
ウェルセルフ → ココナ
ウェブッテネット → クルーク → ピクシブ
TopNotch → Retty
イー・マーキュリー → ミクシィ
こう見てみると、ヘンな社名が多いと感じるのに対し、サービス名称はなじみがあるだけでなく、意味が何となく伝わるワードになっているなと思います。
ところで、シリコンバレーなどアメリカには、起業家に社名を提案するクリエイターがおり、1社あたり1万ドルから2万ドルほどを請求します。
かのマーケティング先進国では、社名の重要性をじゅうぶんに理解しているということです。
しかし、上記の事例を眺めても、「起業のバタバタのなかで暫定的に決めたのでは?」と思わせられる社名が多いのも現実。
であるなら── 。
ある会社が適当な社名をつけて走り出してしまったあと、複数あるブランド名称のなかで、成功したもののネーミングを社名に据えよう、と最初から考えるのもひとつのやり方です。
成功の理由はネーミングだけではありませんが、結果的に多くの人に理解されて受け入れられ、記憶してもらえたということは事実。
ヒット商品のパワーに引っ張られ、会社全体も浮揚していくに違いないのです。