製造業の不祥事が相次ぐ | マーケティング・コンサルタント弓削徹

製造業の不祥事が相次ぐ

製造業の不祥事がひっきりなしに報道されます

とはいえ、企業・団体の不祥事案件リストを見ていても、9割以上は金融・不動産や流通、サービス、行政によるもの。


信頼されているからこそ目立つのが、製造業の不祥事なのですね。

最近の報道を見ても、、

神戸製鋼  製品性能が不十分なまま出荷

日産自動車 新車検査を無資格者が実施(発覚後も継続)

三菱自動車 燃費データを改ざん

タカタ   エアバッグのデータを改ざん

東洋ゴム  免震ゴムの性能データを偽装

旭化成建材 マンションのくい打ちデータを偽装


目に余りますね。。


マジメが取り柄の日本人と日本製品。


それが世界で信用されなくなったら、どうなるでしょうか。


たしかに「過剰品質」があることは生産現場でも問題視されています。


不必要な仕様のために残業で帰れなかったり、部門間がギスギスする。


しかし、それが本当に不要な「過剰」かどうかはわからないのです。


過剰品質」により、紙一重で人命が助かったりもするのです


この紙一重に、ものづくりをする人の覚悟と、迷いとが投影されているともいえます。


それにしても、ここまで声高に製造業の不祥事が伝えられるようになった理由はなんなのでしょう。


・現場にプロがいなくなった?

・忖度してしまう日本文化のため?
・商品ライフサイクルが短期化し、時間をかけられなくなった?

・以前からあったが、内部告発により顕在化するようになった?

・・あるいは、これらの複合??


上記リストにもあった自動車会社の幹部であった人に、先日、話を聞きました。


それによると、「社内には国内基準とは別の「規格」があり、無自覚にそれが適用されていた、雰囲気として罪の意識も薄かった」ということでした。


たしかに、決定的な性能部位でなければ融通を利かせてしまおうとする現場を止めるのは、[相棒]の杉下右京氏のような、異常ともいえる遵法主義者でなければムリなのかもしれない。。


和気藹々(あいあい)と働こうとすれば、また不祥事は起きてしまうのではないか、と考えてしまいます。。


それでも、ものづくりに関わるほとんどの人は、今日も100%を期して妥協のない仕事をしていることは疑う余地もありません