内需も外需も
商品のライフサイクルはますます短期化し、多産多死へ。
とくに食品などは、POSテータで“死に筋”と判断されれば1週間で売場から排除されてしまいます。
そのため、中小メーカーはつねに新たな商品企画を求められています。
少し前の調査データですが、日用品分野では年間15,000点の新商品が発売されるそうです。
そのうち、1年以内に消えていくものが99%。つまり、市場に残れるのは1%だけというのが現状です。
これが北米では、年間10,000点の新商品が発売され、1年後に残っているのは10%です。
また、欧州では年間7,500点の新商品に対して、1年生存率は25%ていど。
いかに日本の市場が異常であるか、日本の消費者が厳しいかがわかります。
(あるいはムダ弾があまりにも多い?)
P&Gのように日本に参入している海外企業の責任者が、「日本で認められれば世界で売れる」と、よく言いますよね。
まさにそのとおりで、日本で成功すれば世界で成功するのはむずかしくない。
その日本でビジネスをしている私たちは、相当に恵まれているのだと自覚する必要があります。
支援先の売上月次データを見るにつけ、日本の国内内需は底堅いものがあると思っていますが、内需はそのままに、外需も取り込んで行ければ事業の成長余地には夢が出てきます。
ただし、アメ車やタイ米が日本で売れないように、現地には現地の事情や指向というものがあります。
中国で家電を売るなら真っ赤か金色にせよ、なんていわれます。
あるいは、インドで冷蔵庫を売るにはカギとバッテリーが必要、というケース。
冷蔵庫からモノが盗まれるのが当たり前なのでカギが必要、頻繁に停電するので中身が腐らないようにバッテリーが必須、というわけです。
そう考えると、フィリピンやインドネシアも停電が多いわけですから、バッテリー付き冷蔵庫はありじゃないか、と類推がはたらきます。
相手を知れば百戦危うからず…ではありませんが、そこをマーケティングすることができれば、世界のどこかで成長する需要をうまくスキミングができるというものです。