地方紙はじぶん紙 | マーケティング・コンサルタント弓削徹

地方紙はじぶん紙

新聞社が、改善せよとの指摘を受けているのが「押し紙」です。


押し紙とは、新聞社が販売店に押しつける余分な買い取り部数のこと


たとえば朝日新聞では公称660万部のうち、25~30%が押し紙とされ、実売部数は400~500万部となります。


他社で似たような状況にあるところもあり、毎日新聞も30%ほどは押し紙ではないかとされています。


新聞を習慣的にとっている高齢者世帯も漸減しています。


「ネットとテレビで十分」とする世代は、もちろん拡大中。


捏造記事などの発覚も、少なからず影響を与えました。


情報源の中核であった新聞も、今後は一社、また一社と減っていくのではないかと思います。


と、そのような中で地方紙が注目されています


各県には、だいたい1紙は地方紙があり、ご当地ではかなりの率で購読されているのですが、なぜ地方紙は元気なのでしょうか。


「自分ごととなると人は動く」といわれますが、掲載されているニュースは地元で話題となっている事柄ですし、なかには地元の人びとの紹介をローテーションのようにして掲載していく新聞もあります。


自分の会社や学校も掲載されますし、知り合いが載っていることもすくなくない。


そうなると、購読しないことには周囲と話が合いませんし、「ウチの子が載った!」と自慢もできません


いわば、SNSの紙版です(なんだか順番が逆のような気もしますが)。


SNSとはいえ、大手紙と違ってインターネットの影響を受けづらいのですね。


著名な投資家のウォーレン・バフェット氏も、全米の地方紙63紙を買収したと伝えられています。(アマゾン創業者のジェフ・ベゾスもワシントンポストを買収)


こう考えると、全国紙と地方紙は似ているようでまったく性質が異なっていることがわかります。


地方紙は紙面のつくり方しだいで、まだまだ面白いビジネスとして伸びていくところが出てきそうですね。