環境製品におカネを出すのは誰か
環境製品の販売戦略についてご相談を受けました。その内容の概略を書きます。
製品は、糞尿を発酵させて有機肥料をつくるときに使うもので、3分の1の期間で発酵させることができ、ほぼ臭気がゼロで、価格も安い、というもの。
「田舎の香水」なんて言われていた肥料が臭くない、となると画期的ですね。
新たな微生物の配合によって実現できた特長なのですが、これをどのように販売していったらよいか、資本もネットワークもありません、というご相談です。
まず、製品ネーミングなのですが、型番のようなもので登録商標したとのこと。
非常にソンなので、わかりやすく明快なネーミングをつけ直しましょう、とご提案しました。
かつて、有機肥料の商品ネーミングで「有機りんりん」というのがありましたが、こういう和風なダジャレが現場ではウケるのですね。
そして、例によってポジショニング、つまり商品の位置づけ、ウリの設定について。
「肥料作成剤」として画期的であっても、農家の方がたはおカネを余分に出してまで臭いを消すというニーズがないのではないかと思います。
むしろ、酪農家のほうが家畜の糞尿の臭いで困っており、産廃として処理料を払っていたりします。
そこで、牧畜農家さんの「環境製品」として売り込む方が切実なニーズに刺さると思うのです。
それと、「下水道をターゲットとして行政を攻めたい」とのこと。たしかに屎尿の減容は行政の課題です。
これを、臭気をなくして減容し、農家へ肥料として提供もできる、となれば予算が付くかもしれません。
肥料なら農家が対象、のように安直に考えるのではなく、「おカネを出しやすいのは誰か」と考えると市場性が見えてきます(行政、農協、大手資本など)。
そして、そこへ照準を合わせたメッセージづくりをしていくわけです。
また、資本もネットワークもないなかで販路を構築していく場合に有効なのが、代理店を活用することです。
売り先や営業員は抱えているが商品がない、という会社さんをネットワークしていくのです。
それにより、小資本でも全国へ販路ネットワークを構築していくこともできます。
ちなみに、代理店と出会うのにいちばん効率的なのはやはり関連する展示会ですね。