検索広告のリアル版、登場 | マーケティング・コンサルタント弓削徹

検索広告のリアル版、登場

こんどは、「フォースクエア ( foursquare ) 」だそうです。

「フォースクエア」とは、mixiのようなソーシャル・ネットワーキング・サービスに位置情報を組み合わせたもので、現在、50万人程度の利用者がいます。サービス開始は2009年、米国です。

利用者は、携帯電話などのモバイル端末で参加でき、駅やレストランなどあらかじめタグのついている場所でアプリを開き、位置情報を発信すると、その場所に「足跡」が付けられ、ポイントを得ることができます。ポイントに応じてバッジのアイコンが発行されたり、「常連」の認定を受けられたりします。

「実際に特定の場所を訪れて…」と聞くと、旅行がてら拠点ポイントをクリアしていく日本の携帯ゲームを思い出しました。フォースクエアでも、ゲーム性と同時に販売促進に活用できる点に注目しています。

たとえば米国のスターバックスでは、「店舗の『常連』にコーヒーを割り引き」というキャンペーンを試行。こうした感覚では、日本の携帯ユーザーのほうがぴんと来るかもしれませんね。最前に書いた携帯ゲームのほか、マクドナルドやTSUTAYAでクーポン利用の経験がありますから。

また、フィナンシャルタイムズでは、若年層(読者として取り込みたい)が多いエリアのカフェを訪れると、有料記事が無料で読めるというプロモーションを実施。もちろん、これら有名ブランドでなくとも、「ウチのカフェに来て」と広告料を払えば、フォースクエアがタグを貼ってくれて、ユーザーが来店してくれる、というわけです。

iPhoneや携帯アプリのような“ネットワーク”の最たるツールで、渋谷や近所のカフェなどリアルな店頭ごとの「お得」が享受でき、小さなお店側も仕掛ける甲斐がある。これはGoogleが検索結果にキーワード広告を掲載するビジネスを始めたときを彷彿させます。あとは、ユーザーが拡大するかどうか、来店の動機付けを強められるかどうか、にかかっていますね。

東京での活用はまだまだこれからですが、そういういまだからこそ取り入れることで取材もあり、「恵比寿の個人店がフォースクエアを活用へ」という記事になる、のかもしれませんよね(2010年6月25日記事の知恵より)。

※実は以前、同じ開発者が同じようなシステムをGoogleに売却しています。しかし、Googleはそれをうまく成長させられなかったようです。