マーケティング調査NOW! | マーケティング・コンサルタント弓削徹

マーケティング調査NOW!

マーケティング調査にはカネと時間がかかるわりに、読み替えが必要なデータの原石しかとれない、と過去の記事にも書いてきました。

そのなかでも、地域を限定して販売活動をはじめてしまうテストマーケティングは有効ではないかとの意見も書きました。

今回は、インターネットを活用したマーケティング調査について考えてみたいと思います。

2002年頃まで、ネット経由で調査することへの評価としては、しょせんディープにインターネット接続している“マニア層”だから、もともと母集団の性質に偏りがある、というものが支配的でした。

ネットで調査ができればコストは低く抑えられますし、時間もかかりません。それでも、出てきた数字を色眼鏡で見なくてはならないのでは意味がないですね。

しかし、いまやインターネットに接続できる世帯数や人口が増加し、ネットで調べたりモノを買ったりすることがごく当たり前となってきています。

そのため、ネットに接続している人は変わった人、という考え方はもはや過去のものとなりました。

ただ一方で、リサーチ会社のパネル(回答者、被験者)に登録している人は「自分から調査の対象になりたいといって手を挙げた人たちなので、やっぱり変わり者」とか、「結局はポイントや景品、お小遣いが目当てで、きちんとした回答が期待できない」との見方も無視することはできません。

それでも、たとえば調査対象となる商品がネット内で完結する性質である(パソコンソフトなどデジタル製品)とか、特異なサンプルを集めたい(特定の商品を購入・使用した経験がある)などの場合、むしろネット調査にアドバンテージがあるといわざるを得ないでしょう。

「本当に特定の商品を購入した人かどうかわからないのでは?」という場合は、対象者でないと矛盾を生じるような設問の設計にしておくことで純度を高めることが可能です。

また、調査の大小にかかわらず、低コストでスピーディに結果を得られるという点において一日の長があることも事実。

要は、ニーズに応じて使い分けるという発想が求められるのですね。

ということで、ネットと社会の融合度合いが刻々と変わるなか、2009~2010年的には「商品の性質や費用対効果をよく考えて選択する」という態度が正しいようです。