藤浪が2015年のシーズンに残した大きな忘れ物とは?
開幕投手筆頭候補の4年目藤浪が飛ばしています。高卒ルーキー新人ながら
いきなり初年度から活躍し、阪神の歴史を塗り替え続けています。話題では、
二刀流の日本ハム大谷に先行されていますが、3年間の成績では実はたくさん
の分野で上回っている藤浪。
さらなる進化を目指してキャンプからガンガン投げている姿は頼もしい
限りです。すでにエース級の役割をこなし、昨シーズンもキャリアハイの
成績を残して奪三振のタイトルを獲得。
沢村賞の最終候補にも名前が残るほどになりました。今シーズンでは、「15勝」
とか「最高勝率」という明確な目標を掲げているものの、昨年まではあまり
数字的な目標を聞いたことがありませんでした。
そんな中でも意識していたのは、投球回数200イニングです。
シーズンを通して活躍しないと達成できない数字です。2015年シーズンでは
199イニング、つまりあと1イニングで達成と言う目前にして無念の降板となり
ました。この試合こそ、藤浪を進化させた原因だと思います。
あまりにも重かった1イニングをひも解いてみましょう。
最終戦で逃した200イニング 2015年 10月4日、阪神のシーズン最終戦でした。
しかしその試合は決して消化試合ではありません。クライマックスシリーズを
争う3位阪神と4位広島とのデッドヒートが続いており、この最終直接対決で阪神
が勝てばシリーズに進出決定と言う大事な試合でした。
先発は阪神が藤浪、広島が黒田、非常に見ごたえのあるゲームが予想されます。
試合前の藤浪は投球回数194回であと6イニング投げ切れば、目標であった200
イニング到達です。
それまでトップの8完投を記録している藤浪にとっては、当然終盤まで投げて
勝利しクライマックス進出を決めるというのが彼のシナリオでした。
たとえ前半で少々負けていたとしても彼に代わるピッチャーはいませんので、
少なくとも200イニングは達成すると思っていた事でしょう。
ところが、藤浪は5回4失点(自責点3)で降板し、試合も0-6で敗戦。
広島がシーズン最終戦で敗戦したため、タナボタで3位は死守できた
ものの後味は悪いものでした。
この試合、3回まで1安打無失点といつもの藤浪と思いきや、4回に2ラン
被弾に失策も重なり4失点を喫します。1点2点ならまだしも、4点の失点
は誰も想像できませんでした。
これでは攻撃に転じるために、藤浪に代打を出さざるを得ません。すでに
シリーズ進出が決定していればあと1イニングの続投があったかもしれません。
この千載一遇のチャンスを自らフイにしてしまいました。
さらに天王山での勝負弱さを露呈するという藤浪にとっては、決して忘れる
ことのできない試合になりました。 たかが1イニング、されど1イニング
この年の沢村賞は前田健太(広島)が獲得しました。
沢村賞選考には、①15勝以上②奪三振150以上③完投試合数10以上④防御率2.50以下
⑤投球回数200イニング以上⑥登板試合数25以上⑦勝率6割以上という達成が難しい
7項目が基準となります。
唯一5項目をクリアした前田が、4項目をクリアした藤浪、大谷を交わして選考
されました。しかし、もしも最終戦で藤浪が200イニングをクリアして勝利投手
になっていれば、15勝以上と200イニングの2項目がプラスされ6項目達成と
なっていたのです。
あまりにも大きな代償でした。この大きな忘れ物を取り返すために、そして
前田が抜けたセ・リーグのエースとなるために、別次元の世界へ踏み出そうとしています。
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