オープン戦前にデータから振り返る2015年の阪神タイガース
極端な対戦成績
70勝71敗の借金1でシーズンを終えた阪神。交流戦を10勝8敗で終えたので、
セ・リーグ5球団との対戦成績(引き分けを除)は、60勝63敗ということになります。
その内訳をみると、得意チームと苦手チームの戦績の差があまりにも激しい一年だった
ことがわかります。優勝したヤクルトとは13勝12敗と互角以上の戦いをしたにも関わらず、
2位巨人には9勝16敗、4位広島には8勝15敗と、この2チームだけで借金14を背負わされたこと
こそ、3位に甘んじた要因です。
それどころか、よく3位を死守できたものです。またこの2チームには、昨年の阪神にとっての
天敵と言うべき先発ピッチャーがゴロゴロいました。巨人には二人の新外国人にしてやられました。
ポレダとは2勝5敗の防御率2.44、マイコラスとは0勝3敗 防御率2.40の好成績をあげられます。
1シーズンでたった一人に5敗はプロとしてかなり恥ずかしい成績です。対巨人戦と言う意味では、
球場に苦手があったと言わざるを得ません。
巨人の本拠地東京ドームではなんと2勝11敗で借金9でした。ビジターでの成績が悪いことはある意味
当然と言えば当然なのですが、もう少し抑えないと駄目ですね。しかし、もっと惨憺たる成績だったのが、
広島戦でした。広島が誇る3本柱には、合計で0勝11敗と完膚なきまでに抑えられてしまいました。
沢村賞の前田健太には4敗、防御率0.60、防御率のタイトルを取ったジョンソンには3敗、防御率1.08、
メジャー帰りの黒田には4敗、防御率2.40という有様です。しかも、阪神の本拠地甲子園でもほぼ完ぺきに
おさえられています。
甲子園でこの3名は合計7試合投げているんですが、3人合計でたったの5点しか奪えていません。これだと
0勝と言うのも頷けます。彼ら以外にも苦手は存在し、中日のエース大野に、1勝3敗 防御率0.76。
防御率0点台だと相手に1点でも取られたらアウトということです。
前田はメジャー挑戦でいなくなりましたが、他のピッチャーは全員今シーズンも対戦があります。
もちろんここまで名前が挙がった6投手は、全員セ・リーグ防御率10傑に名前が入るほどの実力者です。
今シーズンは、彼らとの対戦はせめて5割キープを目指してほしいですね。それぞれシーズン最初の対戦で
苦手意識を払しょくできるかがキーです。
ペナントレース終盤戦はここ数年の課題
阪神のここ数年のもう一つの課題は、終盤での勝負弱さがあげられます。ペナントレース中盤まで
はいつも首位争いをしているにもかかわらず、勝負どころの9月10月でかならず失速しています。
ここ5年間で見ると、ちょうど5割の成績だった2014年が最高の成績であり、昨年も10勝17敗1分と
完全なる尻すぼみでした。もうここまでくると、先行逃げ切りのペナントレースでなければ、阪神は
優勝できないことになります。
どんな形であっても優勝してほしいですが、終盤に勢いがなければクライマックスシリーズや
日本シリーズの短期決戦に期待が持てません。2014年はシーズン2位ながらまさかの巨人4タテで
日本シリーズに進出してくれました。
あの戦いが奇跡だったと言われないように、今年こそは終盤に最後の踏ん張りを見せて、ペナントを
奪回してほしいものです。それにはチーム全体の底上げが必要です。3位で終わったシーズンでしたが、
チーム打率4位、本塁打数5位、チーム防御率5位、という数字上はBクラスのチームだったということを
肝に銘じてほしいです。