株主が認知症。

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会長が認知症になってしまった。会社の株をけっこう持っているが,どうしたらいいか,という相談。

 

 

代表取締役を子供に譲っても,株は親が持っている場合がある。

 

 

 

株主が死亡した場合,何も対策をしていないと株は相続人の共有になる。相続人間で話がまとまらずに紛争になると株を処分できない,つまり,会社が株式を買い取ることもできなくなる。親の株式であれば兄弟間で話し合えば良いけど,叔父,叔母が株主だと,自分の意思とは無関係に紛争は続くことになる。

 

株式を分散させずにできる限りまとめておきたいのであれば,遺言を作成したり,定款で売渡請求できるようにしておくことは必須。

 

 

これらの対策をしていても,株主が死亡せずに認知症になった場合は,さらに対策が必要になる。

 

 

認知症になると判断能力がないので,株主総会に参加することができない。つまり,株主総会を開けなくなり,会社の意思決定ができないことになる。

 

 

成年後見人の制度も,かなり使い勝手が悪い。

成年後見人を選任しても,選任されるまで少なくとも2ヶ月かかる。さらに成年後見人のメイン業務は,本人の財産の維持。

成年後見人から株式を買い取るにもそこから手続きが必要だし,成年後見人が株主として居続けられても,本人のために配当を要求してきたり,面倒なことになる。

 

 

やはり,早めの段階で,株式も含めた事業承継を完了させておく方が無難。使い勝手の悪い成年後見人にかえて信託のスキームもだいぶ利用しやすくなっている。

 

 

 

2012年の時点で,65歳以上の7人に1人が認知症。2025年には5人に1人が認知症になると推定されているみたい。

 

 

 

 

今後は,株主の死亡の対策だけでなく,認知症対策も必須になる。