弁護士に依頼せずに自分で訴訟をすることを本人訴訟と呼んでいます。相手方に弁護士がつかない事件は、9割はあるらしいです。そもそも出頭しない案件も数に入っていると思うので、出頭して争う事案はもっと少ないと思います。

これまで、「弁護士に依頼した方がいいですか」、と聞かれたことが何度かありました。
事件は唯一のものなので、弁護士に依頼したパターンと依頼しなかったパターンを両方経験して比較することは出来ないし、争いの金額から依頼すると弁護士費用の方が高くなってしまう場合は、仕方がないかもしれません。しかし、争いの金額が数百万円になると、依頼した方が良いです。

相手方に弁護士がつけば、結論は200万円~300万円は変わっただろうな、という事件が3件ほど記憶にあります。要するに、弁護士に依頼していれば、相手方は200万円~300万円程度、支払う額が少なくなっていただろうな、ということです。
原因は様々ですが、主張すべきことを主張していない、裁判と無関係の事実を主張し続けているといったところでしょうか。

裁判所や弁護士が、法律の素人を騙しているのではありません。裁判は一定のルールにしたがって、進みます。頭脳明晰で論理的思考力があっても、ルールを知らないと不利になります。
野球で言えば、身体能力が抜群で毎回ホームランを打っても三塁方向に進んでしまうとアウトになるのと同じだと思います。そして、裁判所も一塁に進んでくださいね、とアドバイスをしているのですが、三塁方向に進むので、不利になっているイメージです。