録音って証拠になりますか,という相談。取引先との会話を録音されていたみたいで,今後,裁判をしたら負けるのではないかと心配しているとのこと。

 

 

 

結論として録音も証拠になる。でも,録音だけで決定的な証拠になることは稀。今後の主要な争点はどこになるのか,獲得目標をどこにするのか,次点の獲得目標をどう設定するのかなど,録音する前に準備とシミュレーションが必要。


 

そのうえで,相手側からすすんで話をしている状況を作り出さないといけない。

マウント状態で問い詰めて言わせたとしてもあまり意味はないし,後から録音を聞いた人が,強引に言わされているなぁと感じる内容では意味がない。

 

 

そのあたりを注意してやっと補充的,部分的に少しは使えるかなっていう録音ができる程度。

 

 

示談交渉の状況を録音することは多くなってきているけど,弁護士が録音をしていたならともかく,当事者自身が録音していた場合は,証拠として使えるものは少ない。録音する側がメインで話していたり,肝心な部分が抜けていたり。録音したこと自体に満足している場合もある。

 

録音だけでなく,タブレットやパソコンでの録画も容易。常に録音されているかもしれないっていう注意は必要だけど,過度に心配することはないし,自分が録音する場合も過信はしない方が良い。

 

 

 

(事案に若干の変更を加えたうえでクライアントの了承を得て掲載しています。)

 

 

 

以上