先代のころから長く勤めている社員だけど,指示に従わないし,態度も悪い。

相手も自分のことを嫌ってそうだし,すぐ言い争いになる。他の社員にも悪影響だし辞めさせられないか。

 

 

労使関係,特に解雇案件はもめると会社のリスクが大きい。裁判官から見れば,使用者である会社のトップと,従業員。裁判の場で,退職届を無理矢理書かされましたと言いだすこともある。

それに,業務中の態度や,仕事が出来ないなどの理由で解雇する場合は,ハードルが高い。相当な改善指導が必要となるし,後々裁判になった時のための証拠を残す手間もかかる。

 

裁判中は,仕事をしていないのに給料を払う羽目になることもあるし,面倒な組合が絡んでくると本当にやっかい。MGリスクカード5枚分ぐらいはある。

 

 

企業法務の中では比較的感情が出やすい事案だけど,会社のため他の社員のために感情は抑えて対処することが被害を最小限する一番の方法。

 

会社の方から解雇予告手当をちょっと多めに提案して,社員に少し得したと思わせることも場合によっては有効。

 

 

結局,その方法で,ニコニコして円満退社。

 

(事案に若干の変更を加えたうえでクライアントの了承を得て掲載しています。)

 

 

 

以上