私には口髭がある。たくわえたのが大学2年の時。70年安保の真っ只中で、典型的なノンポリ学生が、ちょっと粋がって「ジョン・レノン」を真似たと言えば想像もつこう。
しかも、「色眼鏡」までかけて、これが、女の子たちに、「そっくりだワ」なんて、なぜか意外と受けてしまったのが、イケなかった(イヤ良かったのかもしれないが…)。
さすがに結婚式と某出版社に務めた時は剃ったが、「鼻の下が長い」という実態と、「ホントウ」の私を、今に至るまで、うまく隠し続けてくれている。
つい最近出たばかりの「ヒゲの日本近現代史」(阿部恒久著・講談社現代新書)によると、…「非体制」「反体制」の記号としてのヒゲと、「おしゃれ」「男らしさ」を表現するためのヒゲと、二つの流れ(本文より)…があるとか。
帯に「ヒゲの有り/無しは時代を映す鑑」とあり、「ヒゲに視点をおいた男の歴史」を読み解いて、至極まじめだが、これがなかなかおもしろい。
ところで、私は、選んだ仕事がフリーランスの放送作家で、「口髭顔」を、まァ、いわゆる「○○らしさ」の象徴として、かくも長きにわたって、なんとか通せたのは、果たして幸運だったのか…。
とにもかくにも、このところ、毛抜きで抜いても、抗いがたい「白髪ヒゲ」を丁寧に並べながら、アンチエイジングは柄でもない、今後はより積極的に、変化する我が身に「おしゃれ」アイテムの一つと位置づけ、「ヒゲと装い」をトータルファッションとして捉えなおすことにした…。
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