エピローグ417 | ぴのこ日記

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「俺もお前も高校は運良く三鷹高校(※現在の三鷹高校は中高一貫校となっている。2010年~)に入学した。兄貴や沙織さんと同じだし良かったと思う。何せ東大も合格できる奴がいるような高校だしな。ただ、俺は高校時代に何したんだろうって思うと後悔する。形として残るものなんて一つもなかったから。それはお前にも言えること、だよな?」

 

「そうだね。私も思い出に残るものなんて何一つなかった。せいぜいお母さんか姉さんと買い物行くくらいしか残ってない」

 

「ま、お互い詰まんない高校時代だった。でもな、、だからこそ今の俺とお前は誰が見ても輝いてる。紛れもなく輝いてる。お前見た奴はすれ

違ったら絶対お前に振り替えるだろな。・・・そんなお前がどうして高校時代暗かったのか、これからはお前のこと。お前は一体いつお前のこと『朴念仁女』なんて呼ばれるようになった?言った奴は誰だ?」

 

「・・・そんなこともう忘れたよ。誰が言い出したのか、そんなのも忘れたな。当時の私って学校行くの嫌だった。でも行かないと皆勤賞もらえないんだよ、そう思ってると自然足が学校に向かったな」

 

「なぁ、お前悔しくないのか?そんなこと言った奴に謝れとか言いたくないのか?」

 

「昔のことじゃん。ってもう2年くらい前のことか。何だか懐かしいね」

 

「懐かしい?お前の頭どうかしてんじゃないの?」

 

「ヤだな、私はいつもの私だよ。拓実君のことしか頭にないバカ女だよ」

 

「お前の性根ってそんなに悲しい奴なのか?意地とかってもんないのか?」

 

「意地なんてとうの昔になくなってる。そんなもの持ってたところでどうなるの?くだらない児戯に等しい。そんなの思うんだったら拓実君の気持ちが変わらないでいてくれる方がずっといい。拓実君がいつまでも私だけ見てくれたらどんなにいいだろうって思う」

 

「お前ってくどい!俺の気持ちはお前には何度も言ってる。そんでもわかんないか?」

 

「わかってます・・・」

 

「よし、じゃ今『朴念仁女』って言われたらどう思う?」

 

「そんなの言いたい人に言わせとけばいい。私は私であることに変わりないことだもの。それ聞いて私が(へこ)むとかそんなことないし、問題ない。実際それ言った人と付き合う気なんて全くないし」

 

「・・・結局『朴念仁女』は高2のときに言われた、それだけしかわかんないんだ。・・・もし言った奴がここにいたらすぐ謝れって言うんだけどな。お前って自分のことなのに他人行儀でよそよそしいな。俺だったらムカつくけど」

 

「だから言ったじゃない、昔話なんて話すことないって。それだけのこと」

 

「あーあ、だったらよ、俺高校の時からお前だけ見てたら良かったかもな。沙織さんじゃなくお前をな。そしたらもっともっと高校時代も楽しめたかもな」

 

「いいじゃない、私たちはこれからが一番大事なときって思う。お互いの両親が賛成してくれて、さて、その後は?って感じが今じゃないかな?ならこれからはもっともっとお互い大切に接していこうよ。今もこうして二人でいられるってこと思ってるだけで大切にしていかないとバチが当たると思うな。拓実君は簡単に寝ようって言うけど私は拓実君がしたいならいつでも付き合うよ。でも一緒に寝たことで満足感が得られるのかな?私はそんなことよりも精神的な結びつきが一等大事に思う」

 

「精神的な結びつき?」

 

「今みたいに取るに足らないことでも一緒にいることが一番大事って思う」