内容(「BOOK」データベースより)
20××年秋、京都国立博物館研究員の望月彩のもとに、マカオ博物館の学芸員、レイモンド・ウォンと名乗る男が現れた。彼に導かれ、マカオを訪れた彩が目にしたものは、「風神雷神」が描かれた西洋絵画、天正遣欧使節団の一員・原マルティノの署名が残る古文書、そしてその中に書かれた「俵…屋…宗…達」の四文字だった―。織田信長への謁見、狩野永徳との出会い、宣教師ヴァリニャーノとの旅路…。天才少年絵師・俵屋宗達が、イタリア・ルネサンスを体験する!?アートに満ちた壮大な冒険物語。
『 風神雷神 』上・下 原田マハ著
宗達の描いた風神雷神は
勿論ぜひ観てみたいのですが
狩野永徳さんが気になって気になって
物語は史実を盛り込みつつも
ほぼほぼフィクションでありファンタジー
1582年の天生遣欧少年使節をベースに
マハさん節のお話は進みます
同年代で活躍したと思われる俵屋宗達が
使節に同行しローマに渡り
のちの天才画家カラヴァッジョと
偶然出会い友情を誓い合い日本へ戻るという
壮大かつ大胆な展開
織田信長の本能寺の変は1582年
物語では信長の命を受けて
この年に宗達がローマへ向かいます
到着までに3年かかっていて
使節団の旅行記として読むには
面白いこと間違いなし
数年かけて帰国したあとのことを
描いてらっしゃらないのが
残念でなりません
信長失脚後の秀吉時代に帰国した
キリシタンの青年達と宗達のその後は
ほぼ描写がなく数行の説明のみ
どんな扱いを受けたのか、、、
面白かったからこそひとつだけ
それはどうなんだろうと感じた点
メディチ家の当主の幽霊を登場させたことに
なんとなくがっかり
これは他の作家さんでもたまにありますが
全面ファンタジーならば異論なしです
ただフィクションなのにフィクションでは
ないのかも?くらい入り込んで
楽しんで読んでいる最中に
霊とか魂とか
擬人化したものが語りだすとか
出てきますと急に冷めます
好みの問題なのかもしれません