友人から借りた
古い古いエッセイです
1960年代のイタリアの
街や人や生活や社会情勢について
そして須田さんご自身の
心情やプライベートなお話を
品格ある美しい言葉で
人肌を感じさせる偽りのない言葉で
お描きになっていらっしゃいます
翻訳家、イタリア文学者
晩年は上智大学で教えてらしたようです
時代を考えると
才媛中の才媛、という感じでしょうか
『 ミラノ 霧の風景 』須賀敦子著
内容紹介より
記憶の中のミラノには、いまもあの霧が静かに流れている―。ミラノをはじめ、各地で出会った多くの人々を通して、イタリアで暮した遠い日々を追想し、人、町、文学とのふれあいと、言葉にならぬため息をつづる追憶のエッセイ。講談社エッセイ賞、女流文学賞受賞。
どんな文章をお描きになる方なのか、
私の表現力ではどうにもならないのでww
終わりの方の一文を紹介させて頂きます
ご友人と一緒に、作家カンパーナゆかりの
地であるマッラーディという場所を訪れた時
の様子を↓のように表現されています
「アントニオに連れられていったころの
マッラーディは、初夏の光にあふれていて、
糸杉のとがった梢が、
暗いほど青い空に屹立し、
そこには陰鬱なカンパーナの詩や
彼の薄幸な生涯を想わせるものは、
なにもなかった。」
抜粋箇所の選択すら
いまいち上手く出来ない一読者ですが
須賀敦子さんという女性作家さんを
知ることが出来て嬉しいです
彼女の作品を全部お持ちのMさんに
別の本もお借りしようと思っています
目の前に情景がありありと浮かぶ
素晴らしい文章に魅了されました