誕生日を知らない女の子/黒川祥子 | 我が家の本棚

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大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。


2013年第11回
開高健ノンフィクション賞受賞作

副題
~虐待 その後の子どもたち~


虐待死はニュースになりますが
虐待で
かろうじて殺されなかった子供達が
その後どうなったかは
なかなか報道されません

何とか助かったのか、良かった、
そんな思いを抱きますが
助かった事実に安堵してしまい
その先を深く考えたことがあったか…


読了後に思ったことは
私は知らなすぎる


身内による性的虐待、
愛着障害、機能不全家族、
発達障害に似た症状をしめす
虐待児についての本は
過去に何冊か読んできました
予備知識があるつもりで読み始め
何も知らなかったことに気づき
では、私は一体
何を知っているのか?
何を知ったつもりでいたのか?
本当に考えさせらる内容でした
今、この瞬間にも
親にタバコの火を
押し付けられている子どもが
想像以上にいて
助け出されたとしても
真の意味での救済とはなんなのか


この本は
親からの虐待を何とか逃れ
里親さんの家やファミリーホームで
暮らす被虐待児を取材したもの

虐待を受けた子ども自身だけでなく
小児精神科の先生や
児童養護施設の担当者
実際に子どもを預かり育てている
里親さんたちに
何度も何度も取材を重ね

子供達が苦しみながらも
ひたむきに生きている
今現在を丁寧に描いた秀作

何も出来ないならば
とにかくまず
知ること
今の私に出来ることは
多分それだけ


まさか親が
子供にそんなことをするはずがない
そういう考えは
木っ端微塵に打ち砕かれます
そういう親もいるだろうと
思っていた私も
問題のあまりの根深さに
言葉が見つかりません
虐待児の辛い思いは
逃れたあとも続くのです
簡単に解決することは
ひとつもない、という事実

でも子供達に寄り添い、助け
本気で受け止める大人達がいます
読んでいて
希望はある
未来はあると思いました




少しでも関心をお持ちの方
ぜひご一読を
心からお願い申し上げます
























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