〈第2章 笑顔になる為に〉
5節~個性を裏切る行為~
前回の4節で個性に関してお話しました。
そして、個性の反対を選択し、
それを行う様ならば、
個性を裏切っている事を伝えました。
今回は、もう一つの個性への裏切りをお伝えします。
この力をどの様な目的で使うかが
重要な問題となるのです。
自分の強み、得意、好きを把握したなら
その能力を活かそうとするでしょう。
しかし1つだけ、
間違ってはいけない事があります。
それは自分の個性・能力の使い方です。
例えば医者は人間の体の事を知り尽くします。
※あくまで現代医学の限界の範囲の中で。
ならばそれを生業とし、
病気や怪我をした人間を治療、
手術をする事で救う事になります。
しかしこの人体を知り尽くした知識や技術を
人を救う事以外に利用するとどうなるでしょう。
当然人の体は簡単に壊れてしまいます。
心を扱う心理カウンセラー。
悩みを抱える人の相談を受ける事が使命です。
しかしその人生相談やカウンセラーの様な仕事でも
悩みを抱える人に対し、
心理学や優しさを利用しながら油断させ、
陥れる方に利用すれば相談者の心は壊れます。
また人の心を扱う能力を
詐欺などに利用するなど論外だと言えます。
しかし実際に詐欺の手法はどれも、
人の心理を理解した上で成り立っています。
ここまで反対の悪事でなくても
私の得た人の心を扱う為の知識や経験……
つまり"力"を金儲けという利己的な手段に利用し、
その金儲けの形が
表面上は人の悩み相談という様にしているなら、
『相談者=金=我が身の富』となり、
相談者の人生を
そんなに真剣に考える事もなく
適当に話を流し、
最もらしいことを
ちらつかせるだけのものになるでしょう。
いい加減な外科手術をすると
後遺症が残るのと同じで
心にも後遺症が残る事になります。
人生相談やカウンセリングを行う事が
出来る知識や経験を得た能力者は
相談者の為にその能力を発揮しなくてはいけません。
ですから民間の資格ではありますが
心理カウンセラーの資格を取得した際にも、
心理学における一定の知識を身に付けた事で
『これでカウンセリングの仕事(稼ぐ事)が出来る』と考えればアウトです。
これで(この知識で)悩んでいる人を1人でも救いたい!
こう考えることが理想なのです。
一般的な平均よりも
力(パワー)のある体格に恵まれた人も同じです。
その力(パワー)を利用し
人に暴力を加えるなら
その個性は使命を果たせません。
しかし困っている体の弱い人、
あるいは自分より力の弱い人の力(助け)になる事で
素晴らしい道が開けるでしょう。
人がそれぞれ与えられた特徴。
その特徴は個性であり、
その個性は使命を果たす為の能力です。
その能力を自ら進んで執行する事で、
自分自身が笑顔になれるものです。
もっと言えばその能力を
利己的な使い方ばかりをするならば
一切の価値を無くす事になります。
逆に利他的に使う事が出来れば
小さな能力でも
最高に輝く能力になり、
結果として自らのオーラとなるのです。
そのオーラは決して我が身を裏切る事はありません。
人は1人では生きていません。
身の回りのものも
自分以外の人が作ってくれたから
使えているのです。
食料も自分以外の人が
作ってくれたから食べられるのです。
畑を耕し、
野菜を栽培出来る能力を
自分の為にのみ使うのではなく
世の中に供給する事で、
その能力は活かされます。
人は、他人に微量の何かを
提供しながら生きており、
その反面で多くの人から、
生きるための全てを提供されていると感じます。
○医者は人間の痛みや苦しみを除く、
あるいは和らげ、
年齢に応じた健康に近い肉体へ戻す事が唯一の役目です。
医者がメスや薬品を人を壊す目的で使用すればどうなるでしょう……
○科学者は世の中の解明されていない全ての事柄を
実験などの結果を使い、
人間……宇宙全体の幸福と発展の為に発信する事が唯一の役目です。
科学者が実験と称し危険な物質やウイルスを作り、
拡散すればどうなるでしょう……
また間違った嘘の情報を
世の中に流してしまうとどうなるでしょう……
○哲学者は世の中の悩みを如何に
"幸せ"な方向に繋げるかを考え、
人々の心に気付きを与える言葉を
発信する事が唯一の役目です。
哲学者が人類滅亡を最もらしく謳い、
世間の価値観を狂わす方向に言葉を使うとどうなるでしょう……
人間は他人の幸福の為に、
生きることで、
自らの成長に繋がります。
どんな職業、能力、個性であっても
使う目的は1つなのです。
詐欺師の持つ才能や能力は
決して悪くはありません。
詐欺師の持つ才能や能力は
人の心を巧みに操る事です。
これも才能や能力が悪いのではなく
使い方、使い道が悪いのです。
人を光に導く為に使えば
本当に優れた才能や能力と言えるのです。
自分で自分の個性を裏切ることのない様に
しっかり考えたうえで生きていたいと思います。
第3章1節へ続く…