来春3月に以前から災害運休していた、新得―東鹿越を含めた富良野新得間が廃線になります。石勝線開業前には特急や急行、夜行列車が行き会っていた路線です。宿代わりに夜行列車のハザに乗って、時には新得で乗り換えて、深夜札幌発早朝札幌着なんかもやっていました。ワイド周遊券を握りしめて、、、、
今夏北海道に行くならぜひこの区間の記憶を留めて欲しいと思います。駅舎も中々見ごたえがありますし、映画の舞台になった駅も2つもあります。
掲載写真は2018年から2022年にかけてのものです。
富良野から一つ目の駅が布部です。集落の中にある小さな木造駅舎を持つ駅です。この駅は倉本聰監督の北の国からの映画で、田中邦衛が最初に降り立った駅です。来春まではキハ40が夕暮れの中で佇む光景を毎日提供してくれます。
山部駅です。国道沿いで比較的開けた場所にあります。駅から200m位の所にセブンイレブンがあります。ホームには冬場の灯油を保管していた、煉瓦倉庫が残っています。構内スペースが広いので、コンビニの温かい総菜で夕食を取りながら、駅ネするのに適しており、過去2回宿として使わせてもらいました。天気が良い朝は芦別岳がきれいに望めます。
下金山駅です。当駅までが比較的町中で、ここから山登りになります。ここも駅ネには適した広い構内を持ちますし、山部に比べれば人家も少ないですが、コンビニの温かい食事には負けてしまい、夜の世話になったことはありません。
金山駅です。少し離れた所に集落がありますが、駅周辺はほとんどだれも居ません。もう山の中ですし、気温もぐっと下がります。ホームにはやはり煉瓦倉庫があります。ここの駅舎には駅名標の設置がありません。駅舎だけ見たら廃駅かと見間違うほどです。一夜世話になったことがあります。
現時点での終着駅東鹿越駅です。周囲には金山湖という人造湖とキャンプ場があるくらいです。10人位の乗客は全て代行バスに乗り換えます。学生も結構多いですね。来春からは全部バスになるので、却って乗り換えなしで便利になるでしょうね。運賃は上がるかもしれませんが、、、
現在も営業休止中の幾寅駅です。というより、高倉健のぽっぽやの幌舞駅としての方が有名です。駅前広場には映画のセットに登場した、ダルマ食堂や理容店などがそのまま残っています。車両は映画用にキハ40から特別改造された、キハ1223のカットボディが展示されています。このダルマ食堂で筑豊から流れてきた、炭鉱夫役の志村けんが、酔っぱらって大立ち回りをやっていましたね。ホームの先には腕木信号も残されています。高倉健は、寡黙でしたが立ち居振る舞いで、多くの名場面を演出していました。このぽっぽやでは雪の降るホームで、ただ空を見上げているシーンが一番好きです。
山中の落合駅です。もう手入れされなくて草ボーボーです。周囲にはドライブインなどの店がかつてありましたが、今ではすべて廃屋になっています。ただ廃駅ではないので、夜でもライトが灯ります。代行バスは路線バスではなく観光バスが使用されていました。
古くても5年前の写真ですが、現在の状況とほとんど変わっていないと思います。来春まではこの姿のまま行くでしょう。記録を撮るなら今夏が最後ですね。