9月25日（金）17日目。本日は予備日です。夕刻に苫小牧から船に乗る予定にしています。だいたい何時も最終日に予定を入れないようにしています。
ですから渡道してからの情報で行き先を決めました。札幌に行きます。あまり街中は好きじゃないんで、滅多に目標地点にはしないのですが、道立近代美術館で神田日勝展を開催しているので観に行くことにしました。
神田日勝と言っても多くの日人は、？？？だと思います。私も神田日勝だけでは誰か分かりませんでした。しかしＮＨＫの連ドラの「なつぞら」でヒロインのなっちゃん（広瀬すず）の初恋の相手で、若くして亡くなった画家の天陽（吉沢亮）のモデルとなった人と言えば、あー最後は畑で眠るように亡くなった人で、馬の絵を描き上げる途中だったなあと思いだす方は多いと思います。
実際神田日勝は、早逝して馬の絵が絶筆となっており、その未完成作品がそのまま今回出展されているとの事でした。そう言う事でどんな馬なのか？他の作品はどうなのか？興味があって行く事にしました。
これが絶筆の未完成作品の馬です。ベニヤ板に描かれています。館内は当然撮影禁止ですから、これは開催案内からの転載になります。
日勝の馬は数多くの作品があって、どれも農耕馬です。特徴はその毛並みです。細かい毛並みを丁寧に書き込んでいきます。
しかし画風と言うか描く対象が急にころころ変わる傾向があり、暗い開拓時代の過酷な場面の作品も多くあるかと思えば、原色をこてこてと何色も塗りまわした、ピカソの様な抽象画もあります。同一人物が描いたとは思えません。多重人格でもあったのかと思うほどです。
楽しみに行ったのですが、馬の絵以外は私としては感性に訴えるものがなく、良く分からない絵ばかりで、しっくりと来ませんでした。
この馬の絵は良いと思いますよ。最後の最後まで絵を描くことに賭けた短い人生を生きようとするエネルギーが、伝わってくるような気がします。
消化不良のまま美術館を出た頃に電話がかかって来ました。新日本海フェリーからです。本日は悪天候のため欠航しますとの事でした。
明日は今のところ出航予定ですが、乗船日を変更しますか？と言うものでしたので、即座に変更しました。さらにGOTOトラベルを適用できますけどどうしますか？と言われそれもお願いしました。12000円も安くなるようです。
もともと予備日の上、美術館もイマイチでしたが、本日の予定はあっけなく終了してしまいました。更に欠航になったため、本日の宿を探さなければならなくなりました。そして明日の日中も何かしなくてはいけません。これも道内に入って聞いたニュースなんですが、夕張のシューパリダム湖で、渇水により沈んだ施設が顔を出していると情報が流れていましたので、それに行ってみようと思いました。
となると札幌よりも北で、夕張にはそう遠くない所と言うのが宿の候補になります。室蘭本線や、函館本線、石勝線はイマイチ宿泊したくなる駅はないですから、根室本線か留萌本線と考えました。根室本線の富良野以南の狩勝峠の駅は良いんですし、今年も山部、金山駅には泊まっています。しかしこの2，3日ぐっと夜間が冷え込んで10℃を割ってきます。標高が高いと尚更です。と言う事で本日の夜も留萌本線でと言う事になりました。
16時過ぎに食料を調達して余裕の時間に恵比島駅に到着しました。食料はコンビニ手配ですが、一番近いのは石狩沼田のセイコーマートです。セイコーマートは氷が丁度良いのが無いのですが、まあそんなに高くないので、大きいものを買いました。セブンイレブンにあるのが丁度良いサイズなんです。
恵比島駅はここもNHK連ドラの舞台となりました。「すずらん」です。1999年の作品で、捨て子がこの明日萌駅の駅員によって育てられる話です。その為だけにＮＨＫは明日萌駅をフルセット制作し、Ｃ11を本州から持って行き走行させました。ＮＨＫ恐るべき資金力です。現在も明日萌駅は資料館として残っています。昨年は中を自由に見学できたのですが、今年はコロナの影響で閉鎖しますとの案内が出ていました。何でもかんでもコロナコロナです。
恵比島駅の本物の駅舎は上の写真です。明日萌駅舎があまりに素晴らしいのでトイレかと思われるような造りですが、ヨ駅なんです。明日萌駅に合わせて少し化粧板が張られています。こちらの方は閉鎖されていませんので、ちょっと早いですが飲み始めました。
16:33留萌行きがやって来ました。恵比島駅と明日萌駅両方の駅名標を撮り込みました。ワンマン列車の停車位置は恵比島駅舎前ではなく明日萌駅舎前でした。ＪＲ北海道はそれでいいのか？自尊心はないのか？本物じゃなくてセットの前に停まっても、、、
日が暮れてからの留萌行きも見送りました。お酒も入ってご機嫌な夜が更けていきます。周囲には誰もいる気配がありません。列車の中は何人か乗客はいましたが、、、、乗降はありませんでした。
明日萌駅いや恵比島駅の夜は、静かに更けていきました。早くから飲み始めた分本日のアルコール量は、いつもより少し多めでした。氷を多く買っておいて正解でした。