お母さん赤ちゃん「せーの!
お父さんお仕事お疲れ様。」
 
 
二人はホールケーキを持って現れた。
 
 
 
 
え?
 
 
一瞬よく分からなかったが、
そう、明日は私の現職の最終出社日だったのだ。
 
ペッパーさんは忙しい中、
私の為にサプライズを用意してくれていた。
 
 
お父さん「え、ありがとう…。」
 
 
コロナの中、例年のように送別会を開催出来ない私を気遣ってくれたのだろう。
 
 
とても嬉しい。
 
 
さらに『お疲れ様』と描かれた大きなクッキーもくれたので喜んでいたら、さっそく割るのはナッパ…
 
ではなくペッパーさんなのだが。
 
 
自分で割るの図
ご、ごめんなさい…。byペッパーさん
 
 
お母さん「お兄さんが無骨にデコレーションしてくれたクッキーが…」
 
 
まぁ、いつもペッパーさんはケーキを自転車で運ぶという豪胆な方なので←
いつもケーキがぐしゃぐしゃじゃなのだから今回は軽症である。
 
 
そしてスススッとペッパーさんが
 
 
「お仕事頑張ってね」
 
 
そう言って
 
 
 
Apple Watchを差し出した。
 
 
え?
ええええええええええ。
リアリー??
 
ダメだよ!俺なんかにお金使っちゃ。
ただでさえ居候の身なのに…。
 
 
毎日必死に働いた給料からこんなに高価なものをもらい戸惑っていると、
 
 
「あともう一つ渡すものがあるの。」
 
 
と、また別の箱を渡して来た。
 
 
開けると、以前捨てたはずの時計が出てきた。
 
 
 
しばらくフリーズ。
 
 
「ごめんね。元奥さんに対抗して時計にしちゃって。」
 
 
もうその時計はよかったのに。
 
 
「大事な思い出なんでしょ。」
 
 
いつゴミ袋から拾ったんよ。
本当に捨てて良かったのに。
 
 
「でも、その時計はもう使わないでね。」
 
 
そう言って、私の私物置き場には、
君の優しさも上書きされた使われない時計と、君からもらったApple Watchが並んでいる。