私は2023年9月のこのブログで、「2021年衆議院選挙」について5回にわたって連載しました。そこで「野党連合政権」は国民から明確に拒否されたと書きました。
今回の野党共闘、野党連合政権構想は、2015年から開始されました。それはこの年、自公政権が集団的自衛権行使を中心とする「安保法制」を強行採決したのを受けて、多くの国民からの「野党は共闘して、安保法制を廃止する政権をつくろう」との声に応えたものでした。この動きは大きく広がり、「市民連合」が結成され、翌年の参議院選挙では31の1人区のうち、野党共闘の候補者11人が当選するという成果を生み出しました。
しかし2021年の衆議院選挙で、共通政策、政権協力、選挙協力で野党が合意し、「政権交代」を国民に訴えた時、国民は「野党連合動政権」に「ノー」を突き付けました。
安保法制廃止、改憲阻止、自公政権の暴走に歯止めをかけるために野党が頑張ってほしいという思いはありつつ、野党が政権を取ることはまだ時期尚早と判断されてしまったのです。
国政選挙は言うまでもなく、各政党が党の政策を掲げ、党の公認候補を擁立して国民の支持を訴えるものです。複数の政党が共通政策をかかげ、統一候補を擁立するのは、政権交代の可能性がある時や、緊急の課題を実現させるときなど、きわめて限定された局面で行うことです。
また野党共闘の期間に、共産党は独自政策、独自候補を掲げる場面が縮小し、得票数、得票率、当選者数を大きく後退させてしまったことも事実です。
現在の局面は、野党共闘は封印して、共産党の独自の政策を掲げ、独自候補を擁立して、国民に訴えていく時期だと思います。
共産党の政策が国民のごく少数の支持しか得られないとしても、訴え続けていくしかない、内外情勢が大きく変わり、共産党の政策が正しかったと国民が思うようになるまで(それは21世紀中にはあり得ないとしても)、続けるしかないと思います。
もちろんそれは、現在のような組織体制ではなく、党内民主主義を確立して、党員が自由に発言し、党員全体の意見で党を運営するようになること、国民の声を聴いて、国民の生活、意見に沿った政策を打ち出せるように、党の組織と運営を抜本的に改善することが前提であります。