◎「私は本をよんでいませんが、・・・問題は、出版したことよりも除名処分ではな いでしょうか。」

 「異論を唱えたから除名したのではないと繰り返しわが党の見解が報じられていますが、」

 

 大山氏が松竹氏の本を読んでいないという驚くような発言です。実際には読んでいたのではないかという気もするのですが。

 党中央は、党の方針に異論を唱えたから除名したのではない、本の出版という形で党外から党を攻撃したから除名したのだと繰り返し述べています。だから本の内容は問題ではない、ということで、大山氏も、党の幹部も、党大会代議員も、本を読んでいなくても、本の内容を知らなくても、除名が妥当かどうかの判断はできるはずだと大山氏は言っているのです。

 そのうえで、「問題は、出版したことよりも除名処分ではないでしょうか。」と、本の出版を理由にした除名はおかしいと、国民も、まわりの党員の多くも言っているというのが大山氏の発言の趣旨だと思います。

 

◎「異論を唱えたから除名したのではないと繰り返しわが党の見解が報じられていますが、そのあとには松竹氏の論の中身が熱心に展開されていますので、やはり『異論だから排除された』と思わせてしまうんです。」

 

 党中央は、「異論を唱えたから除名したのではない」と言いながら、松竹氏の論の中身が党の綱領にも規約にも反するものだと、松竹氏の言葉をあれやこれや抜き出して、それを批判しています。(それ自身、松竹氏の意図を捻じ曲げた恣意的な引用が多いのですが、それは大山氏の発言との関係では主要な論点ではないので、ここでは触れません。詳細な批判は、松竹氏自身のブログ「超左翼おじさんの挑戦」の「除名再審査山下報告の『三つの非』」で連載しているので参照してください。)

 党中央が、「異論を唱えたから除名したのではない」と言いながら、「やはり『異論だから排除された』と思わせてしまう」ことを大山氏はするどく指摘しています。

 

◎「この問題でメディアによる攻撃論が訴えられますが、攻撃の理由を与えてしまったのは党の判断である以上、党の判断に間違いがないというのであれば、わが党が民主的であるという証左として、松竹氏による再審請求を適切に受け止めて、国民の疑念を晴らすべく透明性をもって対処することを要望します。

 

 素晴らしい発言ですね。党中央が、再審査請求を党大会で直接議論し、決定するのではなく、大会幹部団21人の密室協議で決定し、大会にはその決定を報告し、拍手で承認を求めるという姑息で非民主的なやり方を行ったことを真っ向から批判しています。

 

◎「『除名』は対話の拒否に他なりません。排除の論理ではなく包摂の論理を尊重することは、政党運営にも求められています。」

 

 最後に、除名処分そのものに反対し、異論を持つものを排除するのではなく、そういう党員も含めた「包摂の論理」を党中央に求める、何とも感動的な発言だと思います。

 

(この項、終了)