私の1月31日のブログ「感覚のズレについて」で、私が「まじめな共産党員」に囲まれて孤立しているのではないかとの心配の声が寄せられました。

 大丈夫です。私の所属組織では、皆さんが自由に発言できる雰囲気があり、私とも、「まじめな共産党員」とも、全然違う意見を言う人や、私より過激な意見を言う人もいて、喧々諤々ながらも和気あいあいとやっています。私も、支配勢力にさらされた多くの国民の常識に、どっぷりつかった感覚を引き続き大切にしていきたいと思っています。

 

 さて、今回は、党大会とは別の問題について書いていきます。

 

 2月1日の「朝日新聞」埼玉版に、「県営公園の水着撮影会 新ルールづくり 参加者ら 理解と懸念」という記事が載りました。

 

 埼玉県民以外の方はご存じないかも知れないので、簡単に経緯を紹介します。

 

 昨年6月8日、共産党埼玉県委員会ジェンダー平等委員会と埼玉県議会議員団は、県知事に対して、県営公園での過激な「水着撮影会」の貸出中止を求める申し入れを行いました。

 これは、6月24,25日に県営しらこばと水上公園で民間事業者が計画している水着撮影会が、過去のイベントでは水着女性が、わいせつなポーズやわいせつなしぐさで写っており、明らかに「性の商品化」を目的としている、未成年が出演しているとの情報もある、として、公園の貸出を中止することを求めたものです。

 

 これを受けて公園を管理している県の外郭団体は、6月中に予定していた6つのイベントすべてについて、主催団体に中止を要請しました。

 

 これに対して、全国から大きな反応がありました。

 一つは表現の自由に政治が介入するものだという批判です。

 もう一つは、モデル自身が、自分たちは「性の商品化」だとは思っていない、自分の仕事を一方的に奪うな、という声です。

 モデルの人たちの声をいくつか紹介すると、

「グラビアは性の商品化と言われるのが残念だな。グラビアって体だけで表現してて芸術じゃないかな」

「私たちグラビアのお仕事が奪われてく。おれらのお仕事奪わないでくれ」

「くびれや胸、おしりもきれいに見せたいのに、それを『性の商品化』と言われるのはちょっと違和感がある。私たちは美を見せたい」

「私たちグラビアアイドルは強制され性被害としてプール撮影会に出演している訳ではありません。好きで水着を着ているし好きで撮影会に出演しています」

「当たり前に撮影会で生計を立ててる子は死活問題ですよね。ある意味、職業を奪われるわけですから。」

「シンプルにルールを詳細に且つ明確に設ければいいと思います。年齢制限、露出制限、その他細かな規則。そして出演する前に契約を巻けばいいと思います」

 

 そして6月18日には、モデルたちが職業差別撲滅、職業選択の自由を名目に、渋谷で集会とパレードを行いました。

 そのスローガンは「私の仕事は私が決める」

 

 私はこのスローガンを聞いた時に、感動してしまいました。モデルやギャルタレントは何も考えていない、金もうけだけでやっている人たちだと思っていた自分自身が恥ずかしくなりました。

 

 県と外郭団体は、6月12日に、過去のイベントが貸出規定に合致していなかった2つのイベントを除いて、4つのイベントについて中止要請を撤回しました。しかし開催直前で準備が間に合わず、6つのイベントすべてが中止になりました。

 県と外郭団体は、あわせて、翌年度からのプールの貸出のルールを、今年3月までに作ることとして、有識者の検討会に提言を出してもらうこととし、法学者、女性支援団体、イベントの主催団体、出演関係者らのヒアリングを行っています。

 朝日新聞の取材では、モデルたちは「ルールを作る時は現場の声も聞いてほしい」と口をそろえたそうです。

 

 さて、この問題で共産党は、県に申し入れただけで、それに対する対応は県の責任で行ったものです。

 しかし申し入れにあたって、性の商品化や子どもへの影響だけでなく、表現の自由やモデルの思いなどもふくめて、十分な検討がされたのか、疑問です。

 そして何より問題は、最初の申し入れについては、しんぶん赤旗や県議会報告で取り上げていますが、その後の経緯は全く報道していないことです。

 自民党のパーティー券問題では、最初に報道したのはしんぶん赤旗だと繰り返し強調しているのに、自分たちに都合の悪いことは完全に無視するのが共産党のやり方なのでしょうか。また、モデルたちが「性の商品化」の対象になっているという認識だけで、彼女たちがしっかりした考えを持ち、仕事に誇りを持っていることを理解していなかったことを露呈してしまったのではないでしょうか。