共産党の第29回大会は1月18日に終了しました。

 言いたいことは数々ありますが、終わってしまったこと、決定されてしまったことにあれこれ言っても仕方ないので、このブログで書くのはやめようと思っていました。

 ただ、最終日の田村氏の結語については、黙っているわけにはいかないので、結語の全文がしんぶん赤旗に掲載されたら一言言わなければと思いました。

 ところがこの問題はあちこちで大変な話題になり、私は完全に出遅れてしまったようです。

 まあ、そうは言っても、このブログを読んでいただいている方で、内容を入手できない方もいらっしゃるかもしれませんので、概略を書いておきます。

 

 大会2日目の16日に、松竹伸幸氏が自身の除名処分への再審査請求書を提出したことへの扱いについて、議題として取り上げられました。

 これは一般の議題とは切り離して、その内容だけで、中央からの報告、代議員の討論、拍手での承認という手続きで確定しました。

 したがって、この内容について、最終日の18日に田村氏が結語で改めて取り上げること自体、おかしなことです。田村氏の結語は、決議案や中央委員会報告などと併せて採決が行われているので、16日の承認と、二重に採決されたことになります。

 

 さて、内容についてですが、

 松竹氏の除名に対する再審査請求の議案について、神奈川県議会の議員団長の大山奈々子代議員が討論に立ちました。

(大山氏のプロフィール、人柄、現在の活躍ぶりなどは、共産党神奈川県議団のサイトで紹介されていますので、ぜひご覧ください。高校や日本語学校の教員、新婦人の役員、そして県議3期目で活躍している、とても素敵な方です。)

 

 大山氏は、除名そのものよりも、何人もの人から、「やっぱり共産党は怖い」「除名はだめだ」などと言われたこと、国民の多くがこの問題をどう受け止めているかという視点から、

「党の判断に間違いがないというのであれば、わが党が民主的である証左として、松竹氏による再審査請求を適切に受け止めて、国民の疑念を晴らすべく透明性をもって対処することを要望します。」

「「除名」は対話の拒否にほかなりません。排除の論理ではなく、包摂の論理を尊重することは、政党運営にも求められています。」

などと主張しました。

 

 これに対して田村氏は、結語の中で、

「党大会での発言は、一般的に自由であり、自由な発言を保証しています。しかし、この発言者の発言内容は極めて重大です。」

と述べ、

「発言者の姿勢に根本的な問題があることを厳しく指摘いたします。」

「あまりにも党員としての主体性を欠き、誠実さを欠く発言だといわなければなりません。」

「反共分裂主義によって野党共闘を破壊した大逆流と並べて、党の対応を批判するというのは、まったく節度を欠いた乱暴な発言というほかありません。」

「発言者は、批判の矛先を180度間違えているといわなければなりません。」

「問題のこの政治的本質をまったく理解していないことに、発言者の大きな問題があるといわなければなりません。」

などと、大山氏の発言を執拗に攻撃しました。

 

 これに対してマスコミやネットで、田村氏の結語での発言は、大山氏の人格を否定する攻撃だ、パワハラだという批判が数多く出されました。さすがに党中央も気にしたようで、19日に小池書記局長が記者会見で、

「田村氏の結語は「叱責」ではなく発言内容への批判です。発言者の人格を傷つけるようなものではありません。」

「結語の案は中央委員会総会で真剣に集団的に議論したもの。」

「パワハラという指摘は違います。」

などと弁明に追われました。

 

 中央委員会で集団的に議論した結果ということであれば、党中央全体が、松竹氏の問題に過敏になり、松竹氏を擁護したり、除名は問題だという党員はすべて排除する方針なのか、あるいは中央の方針に少しでも批判的な意見は絶対許さないという体質をさらに強化しているのか。

 

 いずれにしても、国民に開かれた党にはなれない、なる気がないことを明らかにした対応と言えます。