概要

測量士補は測量法に基づく国家資格。

技術者として基本測量・公共測量に従事するのに必要な資格です。

試験は毎年5月に国土地理院が実施しています。

 

測量法に基づく国家資格は「測量士」と「測量士補」があります。

測量士は測量計画を作製・実施するのに対し、測量士補は作製された計画に従い測量に従事します。

測量士補は測量士の補助者という位置づけです。

 

測量士補の合格率は30~40%で推移しており、難易度はやや易しめ。

測量士と違い記述問題は無く、マークシートのみの試験です。

 

測量の知識はゼロですが、これなら私でも何とかなるかも?

受験料が2,850円と安いこともあり、受けてみることにしました。

 

対策

合格者の体験談を見ると「過去問だけやれば受かる」との書き込みばかり。

そのためテキストは買わず、過去問だけ買って対策することにしました。

 

購入した過去問は日建学院の「測量士補 過去問280」。

過去10年分の問題が分野別に掲載されていて、解説も丁寧です。

 

さて、早速過去問を読み進めていきます。

予備知識なしで読み進めるので時間はかかりますが、何とか一周読了。

やはり過去問の焼き直しが多いという印象。

 

ただ、ネックになるのは計算問題。

基本的に高校数学で習う正弦定理と余弦定理さえ覚えておけば対応できるのですが、

中には計算が非常に面倒な問題もありまして…(測量士補は電卓使用NG)

計算問題は半分取れればOKと割り切り、そのような問題は捨てることにしました。

 

さて、そんなこんなで試験日前日。

今回はなかなか時間が取れず、実質3日間で対策しました。

過去問2周しか回せませんでしたが、こんな体たらくで受かるのでしょうか。


受験(2022.05.15)

試験場は東京大学駒場キャンパスでした。

ここに来るのは卒業以来だなぁ…(大嘘)

 

試験室の入り口で検温と手指のアルコール消毒を済ませて入室。

男女比は9:1くらいでした。

 

定刻になり、試験開始。

例年通り過去問で見た問題が殆どなのですが、選択肢をいくつか新しくするなど捻ってきている印象でした。

そのため、5肢のうち2肢までは絞れるけど、そこから先が分からないという問題が多かったです。

まあ、これは私の勉強不足もあるのでしょうが…

 

試験の合格ラインは28問中18問(65%)正答。

自信をもって答えられた問題が少なく、ボーダーを超えたか微妙な感触。

ただ、これ以上考えても無駄と思い2時間ほどで途中退室しました。

途中退室すると問題冊子を持ち帰れないので、退室前に解答番号を受験票に小さく書き込みました。

 

帰宅すると、早くも資格予備校のアガルートが解答速報を出していました。

試験は16:30までなのですが、その1時間後の17:30には全問題の回答を公表するという驚きの速さ。

アガルートによれば、28問中19問正答で合格見込みでした。

合格ライン+1問というギリギリなところですが、ひとまず一安心。

 

合格発表(2022.07.05)

午前9時に国土地理院のHPで合格者の受験番号が掲示されます。

自己採点通り、合格していることを確認しました。

 

なお、今回の合格率は44.1%でした。

例年30~40%で推移しているので易しめのサービス回だった模様。

結構難しく感じたんですが、受験者のレベルが高かったのかな…

 

さて、翌日には合格証書が普通郵便で届きました。

三つ折りで…(;^_^A

折れ目がついているのが少し残念ですが、合格は合格です。

 

測量士補として測量に従事するには試験合格後に登録免許税15,000円払って登録を受ける必要があります。

私は仕事に使う予定はないので登録しませんが、合格は一生有効なので、いつか登録する日が来るかもしれません。

 

感想

高校で習った三角関数を30過ぎて学び直すことになるとは思いませんでしたが、新鮮で面白かったです。

なお、測量士補に合格しておくと土地家屋調査士の午前試験が免除になるという特典があります。

興味はありますが、かなりの難関試験なので受けるとしても相当先になりそう。

 

これから測量士補に挑戦する方にアドバイスするとしたら…

・測量の知識が無くても過去問だけで受かる。(でも2周だけだと厳しい)

・計算問題は多い年だと28問中10問を占めるため、計算問題を全て捨てると合格は難しい。

・計算問題は簡単なものと難しいものがあるので、計算が苦手な人も簡単なものは取れるようにする。(できれば半分は取る)

…こんなところでしょうか。

 

受験料は安く、コスパの良い資格だと思います。

興味のある方は受けてみてはいかがでしょうか。