4月も今日で終わりになるなと曇空を見上げながら思った。まだ、眠りから覚めない頭の奥には色々な想いが交差して、浮んでは消えてゆく。想いは雨のように流れ夢のように儚く消えていく。と、考えている自分が嫌になる。どうも、マイナス思考が多い自分のようである。今日は久しぶりの休みなので、いまだにパジャマ姿のまま。それに、髭も伸びているし昨日はお風呂に入りそのまま<布団の中で寝てしまったから、髪の毛はピンと突っ立っている。そんな姿で居間に行くと、連れが腹んばいになりながら分厚い本を読んでいる。声をかけても顔もあげずに読んでいる。「はは~ん」動きたくないのだな・・と考えていると連れが僕を見つめて「まだ寝ていればいいのに~」と一言。「またぁ・・腹減ったでしょう?」「今日はなにもないのよ」と一撃!「え、なにも・・」「パンくらいはあるだろう?」と僕。「ない、ない!」と連れ、「じゃ、お茶くれよ」と言うと「だめ!いまいいところなのよ」「自分でいれてくれる?」「なに読んでいるんだよ」「僕より本かね?」と冷やかしながら覗き込むと「何ヶ月も待ってやっと昨日きたのよ」「それに上下巻いっぺんによ」「読むの大変なのよ」「分厚ついし・・」「だから、今日は読書三昧の日にするのよ」と連れ。僕はそんなことお構いなしにテレビのスイッチを入れる。ボリームいっぱいに音が震えだした。連れが「音。。小さくして」と睨む。僕は音量のボタンをプラスを押した。連れは何も言わすに腹んばいからさっと立ち上がり二階に行ってしまった。怒らせてしまったなぁと・・突っ立った髪を手櫛で直しはじめながら・・「俺って確信犯だなぁ」と思った。下巻の本を手にとり作者を見ると宮部みゆき「模倣犯」と書いてあった。 2003/04/30記