白杖を持つ手がかじかむようになってきた今日このごろ、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

手袋をつけたいと思うのですが、財布や携帯、その他色々なモノを触ると考えたら、素手でいたいと思うのでした。

・・・あのね、
杖の方に手袋がついていれば良いと思うんだよね。
縦握りと握手握り、
どちらにも対応できるように、
縦穴と横穴を二つつつけて、ポケット二重にしたら、
グリップがふわふわでオシャレになると思うんだ。
誰か商品化してください。
・・・すでに誰か作っているかもしれないね。


さて、本日お伝えしたいことは、視覚障害者のマイナンバーカード申請についてです。

先日のこと、ガイドヘルパーさんとマイナンバーカードの申請手続きに出かけました。

事前に電話予約して、視覚に障害がることをお伝えし代筆可能な旨も確認済みでした。

身分証明を提示し、申請書の記入は職員さんが代筆してくれました。

カードに必要な写真も撮影し、あとは受け取りの手続きだけ。


担当の方が変わると、
一言目に
「やはり代筆が必要ですか?」
と、問われ
「署名だけでも書けませんか?」
と、言われたので、指先の感覚だけでーー半谷静香ーーと記載しました。
「じゃあ、次は日付と住所もお願いします」
と、平然と指を誘導されました。


なんでだろう?


名前が書けるなら、住所も書けるって思うのかな?
書きたくないから、代筆をお願いしていると思ったのかな?

とにかく、書けないことを説明して代筆をしてもらったわけです。
が、私の最大の疑問は次の言葉です。

「パスワードを口頭でお願いします。代筆しますので。」

1、すぐ隣に人がいるこの状態で、口頭で伝えるの?
2、名前は無理に署名させるのに、パスワードだけは代筆してくれるの?
3、他の視覚障害者は、これで納得して応じているの?

私が一番違和感だったのは、申請手続きに統一性がないことでした。
書けないと主張する申請者が、書くという行為が担当者によって選択的に指定されること、納得がいきません。
書いてもらっている立場の者がどこまで主張して良いのかわかりませんが、これでは「役所は嫌なところ」というイメージになってしまいます。


3つの疑問は、担当の方にお伝えし、どうすれば統一性があるかをその場で考えてみました。

パスワードを書く欄が小さい
という情報を担当者からもらい、自筆は無理だと判断しました。

そこで、思いついたのは、、、
別な白紙に手先の感覚でパスワードを書き、それを担当者に代筆してもらう。
書いた紙は自分で持ち帰る。

これなら、統一性があって良い


私は満足して、手続きを終えました。
通常より2倍以上の時間がかかりましたが、ベストな答えが見つかってよかったです。


でもね、
もし先天的に見えない場合は、自筆が困難です。
その時はどうやって対応するのでしょう?


私が暮らす東京都は、地方に比べ人口が多い分、視覚障害者の人数も絶対的に多いはずです。
対応するマニュアルがあっても良いはずなのに、、、と悔しくなりました。

鉄道や飲食店、観光、どの分野も親切丁寧に接してくれるようになり、1人の人間として対応してくれるようになりました。
でも、役所など公的なものについては、未だにバリアが多いと感じます。

転職手続きに行っても、何度も失業手続きの話をされ、社会保険だと主張しても国民健康保険の案内を受け、受付では生活保護ですか、と声をかけられました。

きっと、白い杖を持った人に対するイメージなのでしょう。


と、まぁこんな感じで嘘のような本当の出来事、冗談のようで本気の出来事が繰り広げられています。

カードは3ヶ月後に届くそうです。
気長にまちましょうか


半谷静香