2018年11月15日(木)
今シーズン一番の冷え込み。東京で9度、一体仙台は何度だったのだろうか。
今朝の朝食、大好きな豆腐と苦手なきのこが仲良くひとかたまりになって登場するから、純粋に喜べない。
[1コマ目・2コマ目「電車の乗り方」]
今回お邪魔したのは、JR仙石線「青葉通り駅」、地下にある駅で仙石線の終着点です。
・切符の購入
➡音声で購入。タッチパネルの下にあるテンキー、米印を押すと音声ガイドが流れます。
「1」は切符の購入
「2」はスイカのチャージ
「3」は履歴印字
料金はテンキーで入力します。
障害者割引を利用する場合は子供料金で購入します。子供ボタンの隣には点字があるから、点字が読めない私でも、印になるから便利。
・ホームでの歩行
➡自分の位置を確認する。点字ブロックが目印。
ホームに敷かれている「内方線」という点字ブロック。このブロックは線路側がボコボコ、ホーム側は線状になっています。「ボコボコの方は危険!」とすぐに認識できます。考えた人スゴイなぁ。
➡点字ブロックの種類
A.誘導ブロック:線状、進む。
B.警告ブロック:ボコボコ、階段や交差点などを注意喚起を促すサイン。
C.内方線:線とボコボコのミックス。
➡電車の隙間に注意。杖を振ってホーム端を確認。そのまま杖を持ち上げて電車の端を確認。駅によってホームと電車の隙間はぜんぜんちがうから、しっかり確認。
杖をついて、その先の安全を確認したら、杖をついた近くに足を置く。隙間に足が落ちないように!!!
➡電車に対して体を正面にし、一歩を踏み出す。
➡押しボタンの位置は右が多い。地方に行くとついている開閉ボタン。
➡連結部に注意。見間違いがあると隙間にストンって落ちちゃう。あんなところに落ちたら恐怖でしかない!!
杖先で地面があるのかを確認。
・「見えない人」より「見えにくい人」の方が、アクシデントが置きやすい。
➡見間違い
➡勘違い
➡思い込み
見る工夫、杖からの情報で確実で安全な歩行へ。
・誘導のされ方
➡肘の角度は90度。90度に曲がっているから力が抜けて、動きを感じることができる。肩や肘、腕をつかむのかは調整が必要。
➡狭いところを歩くためには、真後ろに着く。ガイドの人が背中に回した腕の手首を持ち、手を伸ばして歩く。ガイドの足を踏むことなく、すぐ後ろをついて歩ける。手が離れてしまうことも少ない。
普段はリュックの紐に捕まって歩いてたから、置いていかれることも多々。これで問題解決間違いなし!!!
仙台駅の真ん中で感動していたら、、、、
いきなり目の前で倒れる人が!!!!!
「ゴツンッ」
見えなくてもやばいやつって一瞬でわかるやつ。
脳卒中?!違うとしても頭部外傷間違いない。
笹山さんの肘をつかんでいた私の手は、ドクンドクンと波打つ脈拍を感知。90度だから伝わってくる情報は多種多彩。
常駐していた警察官がかけつけ、救急車を手配してくれたようです。
びっくりした後は、グリーンスムージーで心を落ち着け、午前の授業は終了。
[3コマ目「日常生活」]
〜調理実習編〜
・電子レンジで魚を焼く
➡使い捨てパック
水分が少なめで焼いた感じに近い印象。
➡蓋つき陶器
水分が多めで、ふっくらできる印象。
➡野菜と一緒に蒸し焼きにする。
もやし、長ネギをお皿に敷き詰め、鮭の切り身(甘口)を乗せる。ラップをふわっとかけてレンジで3分。調味料なしで美味しく頂けました。
いつもお魚を食べたいって思っていたけど、焼き具合がわからなくて断念していました。これでレパートリーが増えそう。Let's try!!
・開ける向きは12時の向きから。
➡加熱後の容器の蓋は蒸気で火傷の危険。6時の向き(自分側)から開けると蒸気が全部自分にかかって暑い。12時の向き(奥側)から開けたら蒸気はかからない。
・小松菜のおひたし
➡ポリ袋に入れて電子レンジで2分。取り出して水洗いをすればアク抜き完了。加熱後はカットも簡単!!
➡指物差しを活用して、均等にカット。指3本を並べて切ってみた。順番に並べてみたら、全部同じ長さになりました。なんだか嬉しい。
➡見るために近づく必要ナシ。手の感覚だけで作業できちゃう。なのに、近づきたくなる不思議。
・混ぜご飯、ご飯を分ける
➡冷めてから、ビニール手袋をつけて手で混ぜる。
待つのが苦手な私。暑いままでやるから成功しない。
面倒くさがりな私、道具を使うから成功しない。
今までと同じ方法でやろうとするから、また失敗する。
だけどね。
一手間かけたら、工夫をしたら、研究したら、、、、
出来ないが出来るに変わる。
笹山さんからのアドバイス、
➡一手間かけて出来ないを出来るに変える。
➡工夫の結果、人にたよるのも選択のひとつ。
➡工夫した結果なら、頼るのも苦にならないかもしれない。
感動しすぎて、言葉にならない。
今年ぶち当たった壁を、全部ぶち抜くほどの衝撃。
下ばかり見ていたこの夏、前を見て一歩を踏み出せそうな予感。
そんなことを考えていたら、「頭を下げない、下を見ない工夫」のアドバイスをしてくれる笹山さん。
なんでもわかるんですね。苦笑
見えないのに見ようとしてしまう変なクセ。
ものを落とした時にすぐしゃがむから、オデコを強打する。
頭を下げずに周囲の安全を手のワイパーで確認してから、スクワットの良い姿勢でしゃがむ。内側ワイパーで落としたものを探す。
調理する時も、歩く時も、「見る」以外の情報を使えば、頭を下げないですむこともおおくなるはず。
でも、これは強く意識しないと習得できないかも。
ぶつかっても痛くないふりをするより、ぶつからないと自信を持った方が、視覚障害のプロフェッショナル!!!
・質問のテクニック
➡相手も伝え方がわからない。
➡大枠をきく、全体像の把握。
クロックポジション、指差し確認
➡細かな質問はその後
誰がどこにいる、具体的な中身
[4コマ目「歩行訓練」]
住宅街を歩く。
➡手掛かりを探す。路面の盛り上がり、グレーチング、側溝の蓋、砂利、植木など。
見えるものは見る。杖から伝わる、触覚、音を感じる。足の裏から感じるもの、全部を頼りにする。
➡手掛かりは全員に共通するものではない。自分なりに探すもの。工夫と研究が大切。
点字ブロックがなくても、自分の力でできる!!
名言続きの笹山さん。帰り道の名言。
「人生に無駄なことはない」
今回の短期リハの参加は、私の中で大きな一歩でした。
今まで避けてきた分野。真正面からぶつかったら、そんなに嫌な敵じゃなかった。
「工夫する、選択肢をつくる」
ポイントを沢山伝授してもらえたこと、何より沢山褒めてもらい、笑って、自信をつけてもらえたことで、敵ではなく、友達になれそうだと感じました。
[アフタースクール「夜間歩行」]
夕飯を食べ終えた7時ごろ、夜の道を歩く練習へ出発。
この時点で7度。
・目印を見つける
➡街頭、看板のライト、その先に道が続くか、曲がる場所の目印。
➡白線、光の当たり具合で、光る道となり、安定した足取りに。
➡追い抜いていく車。車のテールランプを追うことで進行方向を確認できる。
・ライトの使用。足元を明るくして安全を確保、見る工夫。明るすぎるライトは私には不向きみたい。
・信号の確認
➡昼間とは違って、信号機の位置はすぐに確認できる。でもどのライトが歩行者用信号なのかがわからない。
➡車の音も判断材料にする。
➡自信を持てるまで、1回多くまつ。
・白杖は車に当たってもある程度平気。ボコボコ車に当てても全然傷つかない。センターの車を叩きまくって実験しました。笑
・援助依頼
➡声をかける場所:信号まちの人
➡声をかける人:急いでいない人
➡頼み方、言葉にづかい、表情。
歩行訓練なのに、指導してくれた山口さんと楽しくおしゃべりしました。聞き上手だから、ついついしゃべっちゃう!
視覚障害者の理解、啓発は訓練士さんの役目だという山口さん、でも、当事者が発信しないことには始まらないって私は思います。
だから、私がパラリンピックで金メダルをとって発信したい!!
(言葉にすれば実現しやすいって、誰かが言ってた!)
一番心に残った言葉は、「夜の杖の使い方」。
「暗いところでの杖の使い方」って言いたかったんだって。笑
冷えた体と心があったまりました。
この時点で5度。寒すぎます。白杖を持つ手が冷たくなって、早く帰りたいって訴えはじめたところで訓練終了。
山口さんも、笹山さんも、ゆっくり待ってくれるし、選択肢をたくさんくれるし、よく笑うから、訓練って感じがしない。
楽しくあっという間に時間が過ぎていきます。
二人から共通して言われたことは、
つい下を向いてしまう、私の頭の位置。
「下を見ない!」は、柔道でも同じ注意を受けます。私生活から直せば柔道も成長できるかもしれない。
強く意識して治していこう。
明日は最終日、頑張ります。
半谷静香