XO | そういえば、昔は文学少女でした。

そういえば、昔は文学少女でした。

クリスマスと誕生日に一冊ずつねだった、「世界少女名作全集」。図書室の本を全部借りよう、と思ってた中学時代。なのに今では読書時間は減る一方。ブログに書けば、もっと読むかも、私。という気持ちで始めます。洋書から雑誌まで、硬軟とりまぜ読書日記。

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待ってましたのキャサリン・ダンスシリーズ最新作。容疑者や証人の口調、身振り手振り、言葉遣いや表情などから、隠された真実を読み解く「キネシクス」の達人=キャサリンがここでも活躍します。。

休暇中のキャサリンは、友人であるカントリー歌手カイリーとの再会を喜びます。カントリー界伝説のカリスマを父に持つカイリーは、まだ20代前半の若さながら、人気、実力とも申し分のないスター。1週間後にコンサートを控えたカイリーはでも、なんだか様子がヘン。

それというのも、とあるファンからの執拗なメールに怯えていたからです。

何度警告されても、しつこいメールをやめるどころかエスカレートさせていくエドウィンという青年がそれ。完全に社交辞令に過ぎないカイリーからの「返信」に自分への好意を感じたエドウィンは、彼女が自分と同じ気持ちで、周囲に邪魔されているだけだと思い込んでいるのです。


しかもこのストーカー、全く悪びれずにカイリーの前に何度も登場します。彼女の情報をすべて熟知していて、アドレス変えても変えてもメールを送り続けてきたりして、気持ち悪いんだなあホントに。


やがて、彼女の歌詞に絡めた殺人事件が発生。犠牲者はひとりでは済まず、第二、第三の被害者が・・・

キャサリンは休暇返上で、地元警察と連携しながら、捜査にあたることになります。

果たして犯人はエドウィンなのか、それとも全く別な何者かなのか。カイリーの運命や、いかに???


本筋以外にも、カイリーの過去の秘密、音楽業界の変遷、父と娘の葛藤、ストーカーのタイプ別傾向と対策、個性豊かな脇役たちなどなど、お楽しみ要素は満載。今作では、キャサリンのラブ・ライフにある変化が訪れて、え~、これどうなっちゃうの?と次への期待を引っ張ります(笑)。


そしてディーヴァー作品のお約束で、どんでん返しがたくさん仕掛けられていて、ハラハラドキドキ最後まで楽しめます。ちゃんとリンカーン・ライムやアメリアがゲスト出演する趣向もあり。


さらに、劇中登場するカイリーの歌は全部作者自身が作詞して、一番キーになる「Your Shadow」は公式サイトでダウンロードできるという凝りよう!面白いので早速DLして聴いてみました。ちょっとイメージとは違ったけどね。