マエストロ、それはムリですよ! | そういえば、昔は文学少女でした。

そういえば、昔は文学少女でした。

クリスマスと誕生日に一冊ずつねだった、「世界少女名作全集」。図書室の本を全部借りよう、と思ってた中学時代。なのに今では読書時間は減る一方。ブログに書けば、もっと読むかも、私。という気持ちで始めます。洋書から雑誌まで、硬軟とりまぜ読書日記。

「マエストロ、それは、ムリですよ・・・」 -飯森範親と山形交響楽団の挑戦-/著者不明
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チェロ弾きのFちゃんに、音楽関連書籍数冊、まとめ貸ししていただきました。

Fちゃんとは一緒にアマチュアオーケストラに入団して練習に励むほか、かなり頻繁にプロのオーケストラやソリストのコンサートにも行ってます。そしてコンサート帰りなどにグラスを傾けながら、しみじみ語るのだ。

「私たちって・・・えらいよね・・・」って。

今さらどうしたって、到達できるレベルはたかが知れてる。到底弾けないような曲のほうが多いこともわかってる。それでも一生懸命練習して、少しでもうまくなりたいなー、っていう自分たちを、自賛しているのですが(笑)。

まあやっぱり好きだから頑張っているので、こんな本を読んじゃうと、うわ山形行って生で聴いてみたいな山形交響楽団!飯森さんの指揮!って思わずにはいられません。

山形交響楽団はもちろんもともとプロのオーケストラなのだけど、地方オケだし、なんとなく自信が持てなくて、活動も地味な楽団だったのだそうです。

それが、超前向きなマエストロ、飯森氏によって、どんどんキラキラと輝きを増していく様が、読んでいてとてもすがすがしい。

何しろ笑えるのが、「常任指揮者になっていただけないか」と東京まで直談判に行くくだり。

「そろそろ頼まれる頃だろう」と思ってた飯森さんに快諾されると、呆然。何しろ断られると思い込んでいたんですね。

実際に人と人とがたくさん動く世界で、きれいごとだけでは済まないのだろうけれど、山響はとても楽しそう。

信念と愛情を持って息子を育てたご両親のユニークな子育て(小学生のうちに麻雀を教え込んだり、押入れに「お城」を作ってくれたり・・・)にも感銘を受けますし、飯森氏自身が、音楽のため、指揮のため、お客様のために重ねる凄まじい努力と熱意にも驚きます。

天性の才能を持った人にしてここまで勤勉であるなら、やっぱり凡人である私たちが一生懸命やるのは、当たり前ですねー!