- 「マエストロ、それは、ムリですよ・・・」 -飯森範親と山形交響楽団の挑戦-/著者不明
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チェロ弾きのFちゃんに、音楽関連書籍数冊、まとめ貸ししていただきました。
Fちゃんとは一緒にアマチュアオーケストラに入団して練習に励むほか、かなり頻繁にプロのオーケストラやソリストのコンサートにも行ってます。そしてコンサート帰りなどにグラスを傾けながら、しみじみ語るのだ。
「私たちって・・・えらいよね・・・」って。
今さらどうしたって、到達できるレベルはたかが知れてる。到底弾けないような曲のほうが多いこともわかってる。それでも一生懸命練習して、少しでもうまくなりたいなー、っていう自分たちを、自賛しているのですが(笑)。
まあやっぱり好きだから頑張っているので、こんな本を読んじゃうと、うわ山形行って生で聴いてみたいな山形交響楽団!飯森さんの指揮!って思わずにはいられません。
山形交響楽団はもちろんもともとプロのオーケストラなのだけど、地方オケだし、なんとなく自信が持てなくて、活動も地味な楽団だったのだそうです。
それが、超前向きなマエストロ、飯森氏によって、どんどんキラキラと輝きを増していく様が、読んでいてとてもすがすがしい。
何しろ笑えるのが、「常任指揮者になっていただけないか」と東京まで直談判に行くくだり。
「そろそろ頼まれる頃だろう」と思ってた飯森さんに快諾されると、呆然。何しろ断られると思い込んでいたんですね。
実際に人と人とがたくさん動く世界で、きれいごとだけでは済まないのだろうけれど、山響はとても楽しそう。
信念と愛情を持って息子を育てたご両親のユニークな子育て(小学生のうちに麻雀を教え込んだり、押入れに「お城」を作ってくれたり・・・)にも感銘を受けますし、飯森氏自身が、音楽のため、指揮のため、お客様のために重ねる凄まじい努力と熱意にも驚きます。
天性の才能を持った人にしてここまで勤勉であるなら、やっぱり凡人である私たちが一生懸命やるのは、当たり前ですねー!