SMOKER | そういえば、昔は文学少女でした。

そういえば、昔は文学少女でした。

クリスマスと誕生日に一冊ずつねだった、「世界少女名作全集」。図書室の本を全部借りよう、と思ってた中学時代。なのに今では読書時間は減る一方。ブログに書けば、もっと読むかも、私。という気持ちで始めます。洋書から雑誌まで、硬軟とりまぜ読書日記。

Smoker
Greg Rucka

去年の夏に前作「KEEPER 」を読んで、もうこのシリーズ読むのやめちゃおう、と思ったところ、「もうちょっと辛抱強く見守って」とのコメントを頂戴したために、踏みとどまりました。で、やっと読んだよシリーズ三作目。


なるほど、主人公アティカスが、ちょっと成長していてビックリ!

若きボディガードたちの、愛あり友情あり、の物語なんですが、基本はかなりエグめのハードボイルド。

毎回、いろいろな理由で命を狙われる人々から身辺警護の依頼を受けて、主人公が恐ろしい陰謀の中に巻き込まれていく、ってな感じ。


私が不満だったのは、アティカス君が評判の割に仕事は結構いい加減だし(警護に失敗すること度々)、イージーにいろんな女性と関係を持っちゃう、っていうところ。甘いんじゃないの?ってことだったんですが、随分大人になったもんだ。

このSMOKERでは、少し他人の痛みにまで思いが至るようになっておりました。


これは作者の意図したとおりなのか、それとも作者自身が、書いているうちに上達(?)したのか、どっちなんでしょう。


今回は、巨大なタバコメーカーの訴訟にまつわる警護のお話。社内の事情を証言しようとする男性の命を、伝説の殺し屋が狙います。殺し屋を雇ったのは果たして・・・?そして、そうまでして封じなければならなかった秘密とはいったい・・・?


人工中絶も、その是非をめぐっては簡単に結論が出せない重いテーマでしたが、これも難しい問題です。タバコが健康に害を及ぼすことを熟知していながらなお、メーカーはその危険な商品を魅力的に演出しながら売り続けている。何万人が肺ガンになって死のうが、そ知らぬ顔で巨額の富を得ているなんて・・・という問題提起。フィクションとはいえ、絵空事ではありません。

考えさせられます・・・


グレッグ・ルッカを大いに見直したので、早速他の作品もオーダーしちゃいました。

前作で凄まじい悲劇から立ち直った少女エリカが、アティカスの妹分としてなかなかいい味を出しています。