Coronado | そういえば、昔は文学少女でした。

そういえば、昔は文学少女でした。

クリスマスと誕生日に一冊ずつねだった、「世界少女名作全集」。図書室の本を全部借りよう、と思ってた中学時代。なのに今では読書時間は減る一方。ブログに書けば、もっと読むかも、私。という気持ちで始めます。洋書から雑誌まで、硬軟とりまぜ読書日記。

Dennis Lehane
Coronado

大晦日に書こうと思ってたら時間切れ。新年第一弾は、Dennis Lehaneの短編集です。ネットで注文したとき、タイトルを何となく「コロラド」だと思い込んでいましたが、正しくは「コロナド」でした。カリフォルニアの街の名前のようです。


いつものLehaneを期待して読むと、ちょっと違った意外なものに出あうことになります。

あまりドラマチックな、うねるようなドライブ感はなくて、静謐なストーリーが淡々と展開される感じ。富める者と貧しき者、美しい者と醜い者。友情、愛憎、親子の絆・・・

読み終えてスカッとすることはないですが、なんだかもやっと心の中に残って、ふとした拍子に登場人物のセリフや行動が思い出されます。何でしょうね、油絵の大作で知られる画家が、小さな水彩画を描いてみた、というイメージでしょうか。

正直、ちょっと物足りないのだが。


ラストに、表題作の「Coronado」が収録されており、これは著者初の劇作です。知らなかったけど、弟(兄ちゃん?)が俳優で、舞台化されたこの作品に出ています。兄(弟?)の自分から見て、とってもとってもいい奴なので、あえて嫌な奴の役をやってもらった、という逸話が紹介されてました。