IMPROBABLE | そういえば、昔は文学少女でした。

そういえば、昔は文学少女でした。

クリスマスと誕生日に一冊ずつねだった、「世界少女名作全集」。図書室の本を全部借りよう、と思ってた中学時代。なのに今では読書時間は減る一方。ブログに書けば、もっと読むかも、私。という気持ちで始めます。洋書から雑誌まで、硬軟とりまぜ読書日記。

Adam Fawer
Improbable
一緒に仕事している先輩から教えてもらった小説。本屋さんで翻訳本と原書が並んで平積みされていて、日本語の単行本は上下巻で4,000円以上するのに、ペーパーバックだと1,000円ちょっと。随分価格が違うもんだ、という話が発端でした。
improbaleは直訳すると「起こりそうもない」ということ。邦題は『数学的にありえない』となっています。
著者は新人作家のようですが、これがめちゃくちゃ面白い!
ジェットコースター的展開の中に伏線が巧妙にはりめぐらされていて、どんどんページが進みます。
主人公が数学者という設定で、いろんな公式だの原理だのが満載。でも、完全に文系アタマの私にも、ちゃんと楽しめました。
コインを投げたとき、表が出る確率は?とか、ひとつの教室に同じ誕生日の人が2人いる確率は?とか、カードゲームをしていて、相手が自分より「高い手」をそろえている確率は?とか、随所に日常にも応用できそうな(できないか)エピソードがありつつ、全体としてはハラハラドキドキ、追いつ追われつ、敵か味方か、生か死か、高度なサスペンスアクションに仕上がっています。
ダヴィンチ・コードの感じにもちょっと似ているかもしれません。

すぐれた才能を持ちながら、ギャンブルにはまって落ちぶれてしまうケイン。精神分裂症を患う双子の兄ジャスパー。悲しい過去から暗殺者として育てられたCIAの女性工作員ナヴァ。あやしい研究にのめり込む博士、宝くじに当たって億万長者になる青年、病床にある少女、政府の秘密機関・・・いろんな運命が絡まりあって、なんかすごいことになっていきます。


テーマになっているのは「未来の予知」で、そんなバカな!と言いたくなる、それこそ「ありえない」お話ですが、結構読ませちゃうので許す。次回作が楽しみです!