No Place Like Home | そういえば、昔は文学少女でした。

そういえば、昔は文学少女でした。

クリスマスと誕生日に一冊ずつねだった、「世界少女名作全集」。図書室の本を全部借りよう、と思ってた中学時代。なのに今では読書時間は減る一方。ブログに書けば、もっと読むかも、私。という気持ちで始めます。洋書から雑誌まで、硬軟とりまぜ読書日記。

Mary Higgins Clark
No Place Like Home

日本のヘビーな小説が続いたので、ちょっと軽めの海外の読み物を、と思って手に取ったものの、ヒロインの設定が『白夜行』と酷似。小学生時代にたったひとりの肉親である母を不幸な事件で亡くし、やさしい人に引き取られて生きる・・・というものです。10歳のとき、Lizaは嫌いな義父から大好きな母を守ろうとしますが、銃が暴発し、結果的に母を殺してしまいます。悪魔のような少女だとしてマスコミを賑わせた彼女の24年後の話。あちらがじわじわと19年の軌跡を描くのに対し、こちらはスパッと「24年後」に話が飛ぶのでそういう意味では全く違います。

それにしてもサスペンスの女王クラークは、キテレツな展開を用意したものです。インテリアデザイナーとして成功し、結婚して息子に恵まれるが、夫は病死、でもすぐ素敵な彼に出会って再婚、ってなあたりは、ありがちなロマンス小説を想像しますが、ある日夫が彼女のために用意した誕生日のサプライズ・プレゼントが、こともあろうに事件の起きた忌まわしい家だった、というのだからびっくり。夫にも4歳の息子にも、決して過去を語らずに新しい人生を生きたいのに、もしかして誰かが、私の素性を知ってるの?ってな動揺。そして24年前の真相を探って自分の汚名を晴らしたいという葛藤。そんな彼女、Liza(今ではCelia)に降りかかる新たな災厄の数々と、次々に現れる怪しい人々。お約束のように連続殺人が起き、なぜかCeliaの身に容疑がかけられて、さていったい!?

すいすい読めて悪くはないですが、クラーク作品を読みなれている人は、おそらく途中で真相に気づくことでしょう。彼女の作品のパターンからして、想像がついてしまうのです。最後まで読んで、果たしてやっぱり。もうひとひねり欲しかった気がします。