津田元作曲 合唱組曲「うたをうたうのはわすれても」は昨年の演奏会でみなさまに聴いていただいた 混声がオリジナルであるが、女声、男声と組曲がある
裂けている もう耐えきれない孤独を、もう裂けてしまいそうな、いや、裂けてしまっている 「南の絵本」「移る季節」「かぜとかざぐるま」「木の影」「雪の絵本」、そして、「うたをうたうのはわすれても」 詩人岸田衿子が浅間山麓でしたためた詩の数々に津田元が作曲したのだが、なんともなんとも孤独なのだ 愛する人と離れざるを得なくなり過ごす高原の日々 言葉は緩やかに、そして、たおやかに都へと向けられる しかし、決して都へははいかぬ 都からのたよりもない 花々が歌い、鳥たちが歌い、木々の梢にまとう色とりどりの葉っぱの1枚にその孤独を、そして、浅間の山麓に身をおき、その身を研ぎ澄まし続けた 「いそがなくたっていいんだよ」…
そして、「雪の絵本」がしんしんと降り続く雪の中でえがかれたあと、その答えがそっと歌われる 「うたをうたうのはわすれても」… あのことをそっと歌う 錯乱するかのような寂しさで、激しさで…