パレストリーナ考【2】 | 日々、折々…

日々、折々…

折々に浮かびくることをとりとめもなくつづってみました 風の音を聴きながら…



 16世紀のルネサンス・ポリフォニー音楽の最大の作曲家パレストリーナ トレント公会議で、教会音楽のあり方が議論された中、パレストリーナはポリフォニーの至高の音楽を作り上げた 対位的手法による様式美である 一方で、同時的に同じ言葉を歌うその音の響きにもその意識が動いていたことは確かである 一つのメロディにハーモニーがついているというものではない 同じ言葉を歌う美しい響きという表現の方がパレストリーナの響きには合うであろう のちにハーモニーと言われるものの芽生えである 今パレストリーナの楽譜をみれば、ハーモニーとして読めるのであるが、それは決して調性とはいえないだろう 「同時的な響き」なのである 不協和の音も確かにある しかしそれは協和の響きのための不協和なのである 不協和も、あらかじめ不協和が来るよという約束に基づいて不協和がやってきて、それが協和に変わるのである これは「神は不完全なるものをもって完全性を体現する」という神学の教義に一致していると考えるべきであろう