ギラギラ慌てた異様な雰囲気の


男性客。


この数分のうちに


何度もトイレに行ったり来たり


間違いなくあのブツは


あの男性客のものなんだ。


閉店の時間となり


池田さんが気を利かせて


蛍の光のBGMが店内に。


今までそんなことしたことないのに


皆が色々と考えてくれているんだぁ。


でもさぁ~


このお客様とやりあうのは


僕ひとりなんですけどぅ。


お願いだから余計なことしないでよぅ。


チャカ持ってたらどうすんだよ。


なんて思っていたら


男性客から


「お会計お願いします」と


ブラックカードをお預かりして


レシートをお持ちすると


「トイレに落し物ありませんでしたか?」


と言う男性客。


「いえ、本日は落し物は届いておりませんが


何かお探しですか?」


とふつうにお答えすると


「財布を落としたみたいで」という男性客。


おい。


このブラックカードはいったいどこから出てきたんだよ。


と思いつつ。


「それは大変ですね。


でも、こちらには財布の落し物は届いておりませんね。」


と返す僕に


「わかりました。大丈夫です。」


とカップルは席を立ち


お帰りになられました。



すると


一斉に出てくる皆。


店内が一気にガヤガヤに。


駄目だよ皆出てきたら。


「でも、帰ったんですよね。」


という沙世ちゃんに僕は


「戻ってきたらどうするの?


あのブツが本当にお客様のものだったら


絶対に無くしちゃいけないから


必ず戻ってきて探すはずだよ。


たぶんまだその辺にいるよ。」


「でも、店長お見送りしたんでしょ?」


と突っ込むケンちゃん。


「一応、見えないところまで見送ったけど


あのブツが警察にわたったら


彼は捕まるから必ず見つけ出そうとするよ。


だから絶対にその辺にいて


ココを監視しているよ。」


マジでー!


とざわざわする皆。


とりあえず


「調理場は厨房に


他は池田さんと一緒に事務所に入って待機して。


とりあえず


本社と警察に連絡するから。


待ってて。」


みんなを戻して僕はトイレを見に。


するとゴミ箱がひっくりかえされ


凄い事に。


これはだいぶ焦ってるな。


本当に厄介だ!と


思いながら電話をかけようと


レジに戻ると


電源を切っていた自動ドアから


ドンドン!ドンドン!


と叩いた音が。


「はい。」


とドアを開けると


「あの。財布、落としたとすると


トイレに入った時だと思うから


もう一度探しても良いですか?」


慌てた様子の先程の男性客ひとり。


「はい。どうぞ。


先程わたしも確認したのですが


お財布は見当たらなかったですよ。


でも、一緒に探しましょう。」


と声をかけ二人でトイレに向うが


「大丈夫です。一人で探しますので。」


彼はそう言って一人でトイレに。


しばらくすると額に汗を浮かべて


彼が出てきた。


結局見つからなかったという事で


僕はちょっと勇気を出して


「ご連絡先を教えて頂けましたら


もし財布が出てきた時にご連絡致しますよ。」


と聞く僕に彼は急いで大丈夫ですのでと


店を後にした。


本社に事情を説明し


警察に連絡を入れる事にした。


つづく




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