「前回の話はこちらから
」「登場人物はこちら
」
夕方レジ担当であり
私の良きアドバイザーである
池田さんが出勤してきた。
相変わらずニコニコ満面の笑みで
張りのある声。
僕は池田さんに昨日の様子を聞いてみた。
池田さん「店長。昨日の新人さん、
しっかり挨拶も出来て良い子でしたよ。
でも、たぶんもう来ないと思いますねぇ。
一応、タイムカードを押す時に
声をかけておきましたが。」
なんとなく嫌な予感はしていたが
正直、判決で敗訴を言い渡された気分。
と同時に、
僕は逆の答えをひそかに期待して
池田さんに聞いていたのだと気付かされた。
そう自分に都合の良い答えを。
「弱いなぁ自分。
だから人が育たないんだよ!
しっかりしろ!」
と自分にムチを打ちながら
池田さんから昨日の状況を聞いていた。
そんな中、
後藤主任が「お話中のところ失礼致します。」
と入ってきた。
「店長。昨日の新人が来ていませんが
朝礼を始めてもよろしいでしょうか?」
だいたいそんなことだろうと思いましたが、
「あのまずねぇ。
朝礼はじめていいかどうかなんて聞く?
どうすればいいと思います?」と即答で返す僕に
「いえ。時間になったらはじめます」
後藤主任もさすがにすぐに返してきた。
「そうですよね。
そんなのは聞く必要ないですよ。」と言うと
後藤主任は
「わかりました。しつれい…。」
と逃げるように背を向けようとしたので
「ちょっと待って。話は終わってないです。」
という僕の言葉に後藤主任は顔色を一変させ
うつむき加減に僕をみた。
「後藤主任。
今日も新人さんが入っていることを
僕は知らされてないんですが?
まあ、シフト表を見たのでわかってはいましたが
さっきの話の後なら直接言った方が
良いと思いませんか?」
という私の言葉に
後藤主任は「はい。すみません。」というだけで
またうつむいてしまった。
「もう朝礼の時間だから
話は後にして、先に朝礼をやりましょう。」
僕の声に後藤主任は一瞬
安堵の顔を見せたように思えた。
「逃がすようで嫌だったが
時間なので朝礼に行かせた。
でも、僕は後藤主任を
逃がしたのであろうか?」
と頭の中を言葉が駆け巡る中、
後藤主任のあとを追い
朝礼の場所へ向かった僕に
「あの新人バックレやがった!
ふざけんなよなぁ!
常識が無さ過ぎる!」と
アルバイトに愚痴っている後藤主任の声が
マシンガンで撃たれるように
僕の耳に穴をあけたのであった。
つづく
☆★<ご質問やご相談はコメントやプチメで承っております>★☆
飲食店の店舗診断・店舗運営・販促広告・人材採用教育などの
コンサルティングからマーケティングリサーチ・各種セミナーなど
低価格にて東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城ほか全国で実施。
ご相談は無料ですのでお気軽にどうぞ!
飲食店のサポート事業 ハンドシェイク
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆