少し前に
映画『兄を持ち運べるサイズに』を観てきました。
今回は中野量太監督の舞台挨拶つき
上映。
『浅田家!』『湯を沸かすほどの熱い愛』を
手がけた中野監督にとって、
5年ぶりの監督作らしい。
原作は、村井理子さんの「兄の終い」。
ご自身の体験をもとに書かれた物語らしい。
主人公は原作者本人をモデルにした作家。
柴咲コウが演じてる。
ある日突然、警察から
何年も会っていなかった
「兄が亡くなった」
と連絡を受けます。
兄の元妻と遺品やアパートの整理をしたり、
兄と暮らしていた息子と話したりしながら、
気づけばそれぞれが
立ち止まることになります。
兄役はオダギリジョー。
妹にお金の何度も無心をする、なかなかのダメ兄。
観ていて「しっかりして…😡」
と思いつつ、
妹は
「お金を助けてあげていたら、
死ななかったのかもしれない」
そんなふうに自分を責める妹。
ゴミ屋敷と化したアパートを
片付けていくと、
一生懸命に生きてきた
兄の痕跡が次々と出てきます。
不器用だけど、
家族のことはちゃんと大事に考えてたんだな、と。
静かな映画ですが、
重たいだけではなく、
ところどころにクスッとできる間があって、
そのバランスがとても心地よかったです。
上映中、相方はしっかり泣いていて、
舞台挨拶では中野量太監督に
質問までしていました。
その質問がとても良くて、
内心ちょっと嬉しかったです(笑)
オダギリジョーさんの演技についての
裏話も聞けて、
「あの空気感、やっぱり偶然じゃないんだな」と
妙に納得。
舞台挨拶での中野量太監督は、
とても温和で気さくな方。
エゴサーチ、結構します(笑)
という一言に、
会場が一気に和んだのも印象的でした。
上映後、相方に感想を聞くと、
「『国宝』より面白かった」と。
なかなか強めの評価で、
思わず笑ってしまいました。
この映画は、
家族のあり方や兄弟について、
自分に問いかけてくる作品です。
ふと、
自分の生まれ育った家族が、
もし将来、
自分ひとりだけになって
しまったら、自分は何を思い、
どんな気持ちで生きていくのだろうか
そんなことまで考えてしまいました。
そしてもうひとつ、
とても印象に残っているセリフがあります。
劇中で、
少しずつ“美化されつつある兄”に対して、
元嫁が
「それでも、お金がなくて、
周りに迷惑をかけていたし、
息子にも足りないことが多かった。
だから、決して“良い人”ではなかった」
的な言葉があります。
それも、それだなと思いました。
極端にお金がない、
借りようとすることは、
それだけで評価されてしまう現実があって、
お金がないと、
守りたくても守れないものが出てきてしまうこと
もある。
きれいにまとめない。
でも、だからこそ現実的で、
胸に残る一言でした。
悲しいけれど、
目をそらせない言葉だったと思います。
今はまだ、母も妹も元気。
だからこそ、
なるべく家族と話そうかな、
なんて思いました。
家族だからこそ、
後回しにしていること、
聞かないままにしていること、
きっとある。
なんか
重たいテーマなのに、
観終わったあとには
少し肩の力が抜ける。
そんな不思議な映画でした。


