みなさんこんにちはHANDLERです
みなさんツイッターってやってます!?
僕はやっておりません
何故かというとブログ、フェイスブック、インスタグラムでほぼSNSに割ける時間
がキャパシティーオーバーしているためです
それでも今年の一月にガラケーからスマホに変えて、インスタグラムの使い勝手の良さ
に利用頻度は一番多くなってます
僕らの情報発信はまずこうした無料のインターフェイスが便利です
表題の炎上した西陣織職人のツイッターが興味深いです
僕も同じ職人の立場で考えてしまいました
「西陣織を習いたい、将来的に仕事にしたい方を募集します。ただし最初の半年は給与的なものも出ませんし、その後の仕事を保証はできません。ただ、この西陣織の職人が減りゆくなか、将来的に技術を覚えておきたい方に無料で教授いたします」
西陣織の職人をされている佐々木さんという方のツイッターです
ネットで炎上したキーワードが
半年間無給、会得したのちの仕事の斡旋は無保証
というものが、ブラックだと話題になったようです
佐々木さんは45歳だそうで、僕とひとつ違いです
僕らの幼少の頃というのは、まだまだブラックな面というのは、ある種「そういうものだ」とか「それは仕方がない物」という風に考える傾向が、そこかしこにあるように思いました
なんていうか練習中水を飲むことは苦しいときに、力を発揮できるように耐える練習の一環としたあれに似てます
丁稚奉公という言葉を聞いたことがあるだろうか?
でっちぼうこうと言って、職人や商人について給金なしに仕事のイロハを覚えてゆくものです
寝るところと食べることが保障されたといいます
僕はこういう徒弟制度(とていせいど)を経験したことはありません
これを知ってなぜそんな思いまでして働かねばならないのか?
というのが炎上の理由です
確かにそうだと思います…労働に対してその対価を支払うのが正しいと思います
しかし
しかしですよ、どんな大中小企業でも、未経験な社員に仕事を教え覚えさせ利益を出すまでに相当な厚遇をしているのも事実なのです
未経験な人は仕事に慣れない大変な時期に、その仕事が続けられるか?
この先一生の仕事にすることが出来るのか?
与えられた作業に失敗をくりかえし、思っていたより楽しくないななどと思ったりするのです…
初めての作業なのに出来ないことを注意され、その事に腹も立てるのが普通の社員です
やめる理由はたくさんある時期ですね
いい人に巡り合えるまで新入社員を入れ替わり雇い続けられる企業は日本のどこにもないと思います
無尽蔵にお試しできるほど安泰な会社は無いですよ
今もらっているお給料も、ものすごく大変な工面をして集められてあなたの手に渡っているかもしれないのです…
だからと言って伝統工芸技術を教える代わりに、無給で仕事をさせるのは如何なものか
と言われることもわかりますが僕はこう考えます
徒弟という間柄になって、技術を伝えてその仕事が任されて世間に評価される、この積み重ねが職人という人達なのです(僕は徒弟に関して経験はありません)
自分の中に身についた技術によって糧を得るためには、いつまでも人に頼っていられないのも職人と呼ばれる人なのです
恐らくこのツイートに批判的な感想を持った方は、職人という仕事には向かない方たちで、毎日ルールの範囲で決まった仕事を与えられ、それに十分な労力を発揮し、対価を得る仕事で働くことが出来る人達なんだと思いました
似ていて非なるものです保障という土俵の上において
僕個人の意見では、佐々木さんが炎上目的でこのツイートをしたのだとしたら、
凄い人だと思います
僕らとひとくくりにして良いものかわかりませんが、職人とて仕事をこなして得る報酬と
いうのは、人がうらやむほど多くは得られていません
もっとも大きな理由は経営を維持できるほどの仕事量が確保できなかったり、労働に見合った価格設定ができない…これが大きいです
やっとの思いでミシンを扱えるようになり、仕事として刺しゅうをし対価を得る
その後同じ顧客からまた仕事を得ることができて初めて仕事と言えます
当然技術の良し悪しがあるとしたら、当然上手い下手と評価されるし、慣れないうちは従事する作業時間も多くなる…
ましてや早い、綺麗、安い、と三拍子そろった機械仕事が全盛な時代ですし、それすらも
労働力の安い国外へ生産業はシフトしています…
今更仕事の丁寧さ美しさよりローテーションしやすいファストファッションに目が向く、そういう時代ですから、比べたら高価で手間暇をかける伝統工芸にすべてを捧げ、一生をそれに尽くしたところでバラ色の仕事時代なんてね……ないと思います
それでも魅力を感じて携わってみたい、仕事を覚えたいという稀有な方はまだまだたくさんいらっしゃいます
教える側の僕ら経営者にも、素質は感じても継続できるかを判断することはとても難しいです
テクニック以外の理由も当然ありますし…
入れ替わり立ち代わり教えることだけに費やしていたら、これはもう企業としては破たんです…
ある種無給でその後の保証もしないよ、それでも覚えたいとふれ込んでみて集まった人になら、連綿と努力をかさねて得たテクニックを伝える価値があるかも?と、
僕自身最高の人材面接だと感じてしまいました
僕は佐々木さんがツイートした事情というのはとても理解ができてしまうのです
ブラックだと言われたらそうなのかも知れないけれどね
けれど人材が減って労働力を国外の人たちに頼っている時代に、技術の魅力に価値を
見出す人そうでない人を選別するこのツイートは、やっぱり秀逸だな…
えらく長くなってしまった
職人というのは特急券が無いですからね、ずっと繰り返しでゴールも無いように思うし、
ゴールだと思ったものが違うスタートラインだったなんてことも…
どうやったら満足してもらえる仕事ができるか考えながら労働させてもらっています
つまりは成長途中なのに対価を要求しているわけです
自分が作った物は下手をすると100年200年は上手いこと残る
作られたものは言い訳ができない物
テクニックの概要は教えることができても、その神髄というような得体のしれない物は、教わる人たちが独自に開花させなければならないです
佐々木さんが言う仕事の保証はしないというのは、教わる方たちが求めること自体僕はナンセンスだと改めて思いました
しかし教わる方たちの中にも二種類あると思っていて、独立意欲を持っている方ととにかく作業を続けていることに喜びを感じる人
前者はほんとうに苦労も多いし厳しい…特に今の時代大変です
僕は困ったことに後者なのです
マネジメントしなければならない立場なのが、悩みの種なんです
たぶんこういう内容のブログはもう書かないと思うので?あと少し
1周年の時のブログに書いたかもしれないけれど
僕の手ハンドルミシンでは現在日本の生産の主流はコンピューターミシンが自動で生産することができるようになっています
革命的に刺しゅうは戦後進歩しました
誰でも機械作業を覚えたら、同じクォリティーで何千何万と生産できます
刺繍のことで言えば手縫いで一針一針つくる手芸から始まり
ミシンが改良されさまざまな刺繍が手芸の生産を凌駕する時代になる
独自に操作していたミシン従事者のクォリティーの優劣が、現在コンピューター制御される
事によって、精巧な生産が出来る…今ここです
そういう時代時代の流れに生まれた刺繍の良さというのがあります
何が優れているから一番良いという考え方ではなく、ずっと昔から続く手法に魅了され、
敢えてその方法を採用するのが物づくりの素敵な事なのです
僕が徒弟制度を取らないのは、今の時代には向いていないからです
いや弟子を取らないと断言したわけではないのですが、それよりももっと他の方法を
採用しているからなんです
テクニックの概要は相談があれば教えてしまう
それでも伝わらないときは僕の所へ来てもらって手順を教える
これで十分だと今は思ってます
何を刺繍するのかは各々持っているはずですから、ひたすらそれを作り続ければよいのです
伝統という足枷がないことが幸いでもあります
この時代手ハンドルに関する情報というのは、ネットで探しても多くはヒットしません
なぜなら生産方法が変わってしまっているからです
今のアパレルが50年~100年前のヴィンテージ刺繍が評価されているのは、当時の生産
背景も評価されている理由の一つだからです
もし手ハンドルの技術がこのまま絶えてしまったら、100年後の若人は100年前に作られた刺繍なんだぜ!と意気揚々と語ったその刺しゅうは、コンピューターミシンが自動で作った物になる…
それは寂しいと思うから、僕は手ハンドルミシンを手に入れて作ってみたいと思う人達にも僕に求められた事案を解決することで、僕の目的に自動的に協力してもらえることになるから、質問疑問に対するレスポンスを惜しみません
僕一人が手作業で作れる刺繍物なんて、高が知れた数ですから…
もしやしたらそういう担い手がもっと増えたらこの技術は無くならないかもしれないし、改めて
現代に見直されるかもしれない…
僕自身にそういうものを求めてます
この件で佐々木さんはロハで労働させようと思ったことではないとも仰っているし、
自分の今の労働事情が大変なことで昼夜問わず働きづめな事を思うと、賃金を今の状況で用意するのは難しいと仰ってます
とはいえ炎上目的ではないのならツイートでこんな書き形するからだよと、冷めた目で見てしまうけれど、批判的な意見を持った方にはいろんな事情を抱えた仕事があるんだと、いろいろ感じてほしいなって思いました
伝わらなくてもいいけれど伝わったら幸せ♪
それではまた次回