三鷹市議会 令和6年第1回定例会 半田伸明の予算代表質疑  | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和6年第1回定例会 半田伸明の予算代表質疑 

今回諸派にも予算代表質疑の権利が与えられました。交渉会派の皆様のご恩情に心から感謝しております。

 

通常、各定例会ごとに「市政に関する一般質問」ができます。これは文字通り市政に関することを質問し議論するものです。

一方、代表質疑というのは、次年度当初予算に関することを大括りに聞く場です。

 

今回の予算案は、基金取り崩し増の額が、人件費増分と学校給食無償化に伴う新規負担の合計額とほぼ一致という事が、大きなポイントです。基金取り崩して退職手当を支払う姿勢で本当に良いのか、ここが気になったところです。

 

動画はこちらになります。

以下、再質問含め流れをご紹介します。

 

(質問)

1)人件費12億増にもかかわらず、やりたい事業を積み上げ、人件費増の分を基金取り崩しで賄うという予算案である。足りないから市民の財産である基金を崩すのは、もはや経営とは言えない。所見を伺う。

 

2)井口グラウンドの整備が本格化していくが、そもそも防災公園・元気創造プラザ事業の際に売却して債務の圧縮にすべき対象だった。みずほ銀行に対する債務はまだ残っている。今年度は今後の返済予定期間を圧縮するチャンスの年だったが、結局踏み切れていない。債務から目を逸らし、やりたいことをやるという姿勢には到底納得できるものではない。今後この債務をどうしていくつもりなのか。返済期間圧縮を急ぎ、より短期間での債務圧縮をする姿勢を見せるべきではないか。所見を伺う。

 

3)介護保険事業特別会計について。国基準をベースとしつつも、低所得者の段階では標準税率を下回るものとし、高所得者の段階では国の標準税率を上回るきつい設定となっている。低所得者対策としては評価するが、高齢者向け施設整備が全然なっていないのに、介護保険料だけどんどん値上がりするというのは、市民の理解を得られるとは思えない。所見を伺う。

 

4)国民健康保険事業特別会計について。今回税率改定となっているが、上げ幅に疑問がある。一般会計からのいわゆる赤字繰り出しは一向に収まる気配がない。勤労世帯にはいわば二重の負担となっている現実がある。自分の社会保険とは別に国保の分を税で負担させられているのと同じだからである。そろそろ本格的に赤字繰り出し解消のために抜本的に税率を見直す時期に来ていると考える。所見を問う。

 

5)学校給食無償化について。今後もし東京都が半額補助をやめるとなっていく場合、どう対処するつもりなのか。都の予算案振り回されている感が否めない。近隣自治体が踏み切る事例が多いであろうことから踏み切るのも理解はするが、今後補助が見込めないとなった場合の議論は、私は大事なことだと思う。いわば財政面での自治が問われている場面といえよう。所見を伺う。

 

(答弁要旨)

(質問1部分)

基金取崩し増はいくつかの要因がある。退職手当の増や、会計年度任用職員への勤勉手当の支給開始などによる人件費の増で約11億円の増、学校給食費無償化に新たに取り組むこと、あるいは物価高騰の影響などによる物件費の増として約9億の増がある。また、社会保障関連経費の伸びなどによる扶助費の増として約1億増がある。

退職手当の増だが、定年年齢の段階的な引上げに伴い隔年で増ということをもともと当初より想定していた。その当初より、財政調整基金の年度間調整で対応すると判断した。補正の積み増しもある。

都市再生の取組等々についても、一定規模の残高を確保しているものという認識である。

 

(質問2部分)

決算剰余金が生じた際には、その年度に繰上償還が可能な場合には、補正予算で事業費を計上するとともに、利率見直しの年度に当たらず、翌年度以降に繰上償還を行う場合には財政調整基金に積み立てるなど、年度間調整を図ってきた。

令和5年度においても、当初予算には令和3年度の決算剰余金の一部を、12月補正予算では令和4年度の決算剰余金の一部を繰上償還の財源に振り向け、債務の圧縮を図った。

 

(質問3部分)

特養が令和2年に市内に2か所整備、一方、老人保健施設が市内に4施設となっており、一定の整備を図られている。

高齢者人口の増加に伴う要介護認定者数の増加により、介護保険サービスを利用される方の割合も増加し、サービス提供に必要な費用も増大していることから、介護保険料につきましても引き上げざるを得ない状況である。

 

(質問4部分)

法定外繰入れ解消の目標年次を令和19年度として、令和6年度以降も保険税改定を実施する旨の国保財政健全化計画を作成して、国民健康保険運営協議会に報告するとともに、都にも提出する予定である。

 

(質問5部分)

私としては当然私が市長である限り、何としてもこれは続けたい。

 

(再質問)

質問2だが、私が質問したのは返済ではなく、その期間の圧縮を言っているのである。

なお、返済期間の圧縮について、河村市長は、「やると言ったらやるんです」と答弁までしたのに、結局チャンスだった今回はやらないという結果である。

 

人件費12億円増について。何を言いたいかというと、基金取り崩して繰出金の増が15.8億円と数字はっきりしているのである。学校給食無償化3.5億円って数字はっきりしているのである。見事にその差額が人件費増なのである。

退職手当分を基金取崩しで賄いますって見られても仕方がない予算案なのである。もう少し見せ方があったのではないかと言っておく。

 

学校給食についての無償化、言わんとしていることはわかった。しかし、税収の伸びの緩やかな上昇線に対し、いわば義務的経費ともいうべきものの支出増の上昇線がもっと急なのではないか、ここを心配しているのである。この2つの線が交差して、結局はアップアップになってしまうという危険性を考えるべきだと思う。

 

(部長答弁)

基本計画の案でフレームを考え方として示す。

 

(半田締めくくり)

「入るを量りて出ずるを制す」というのが経営なのである。この予算案はそうは見えない。「出ずるを積んで入りを取り崩してやり繕う」というのが今回の予算案なのである。これではいけないと思う。いずれは「出ずるを量りて出ずるを制す」という発想を、各部の皆さんに考えていただきたい。

 

以上になります。

 

過去のエントリーで書いたように、今回の補正予算案では、まちづくり施設整備基金のみ増えていき、他は減という有様です。質問1答弁でわかるように、駅前だの天文台のまちづくりだの、要はこういう事業をする資金繰りを第一に考えているのだなとわかります。

 

「都市再生の取組等々についても、一定規模の残高を確保」

 

この表現は、本当に重いですね。

市民の財産である財政調整基金を崩して人件費を支払う一方で、着々とハード系事業の頭金は増やしていく、大きな違和感を感じます。