三鷹市議会 令和6年第1回定例会 半田伸明の一般質問 今後の公共施設の在り方について | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和6年第1回定例会 半田伸明の一般質問 今後の公共施設の在り方について

今回は、今後の公共施設の整備につき、大きく方向性を問う質問でした。

 

動画はこちらになります。

以下、流れを紹介します。

 

(冒頭の主張部分)

今後の公共施設の在り方について、今一度市民ニーズの観点から考え直すべきである。

 

(質問)

1)介護離職を防ぐ為に、特別養護老人ホームや老人保健施設の増設は緊急課題と考えているが、策定予定の高齢者計画ではこれらの増設の予定はない。一方、駅前再開発や羽沢小移転を核とする天文台のまちづくりは粛々と進められている。真に作るべき施設に目を背け、やりたいことをやっているようにしか見えない。姿勢を改めるべきである。所見を伺う。

 

2)新都市再生ビジョンには「右肩上がりの成長型社会の中で建設された公共施設の全てを建て替えるのは財政的に困難」とあるが、そもそも駅前再開発はそれを契機として市の活性化を図る意図があるはずであり、その観点でさらに成長を促すものとして捉えると、成長型社会の維持が難しいのにさらに成長型を追い求めるようにも見える。ここは新たに建てるという次元と、財政的に既存施設の建て替えは困難という次元を、どう整合性を持たせて説明するかが大切である。所見を伺う。

 

3)例えば保育所の新設などでわかるように、新たな施設ができるのは現にある。しかし、行政が作るわけではなく、その意味でポイントは民設という点にある。特別養護老人ホームや老人保健施設のような高齢者福祉の施設も、今後民設に期待するだけで、行政が作るのはあり得ないのか。所見を伺う。

 

(答弁要旨)

(質問1部分)

例示に挙がった2つの政策は私の公約である。それを市民に掲げて当選したのである。やりたいことをやりたいようにやっているというのは不適切だと思う。議会に提示し、市民参加もやっている。

特別養護老人ホームとか老人保健施設と言うが、なぜそれらが優先すべき事項なのか私にはわからない。そんなに言うなら、市長選を通して市民に問えばいいではないか。私は信任を得ているのだ。同じようにやってみたらいいじゃないか。

私は公約を通して言ったことを1期目の大半は新型コロナウイルスでなかなかできなかった。今それがやっとまとまって、これからどんどんやっていく。公約で掲げたことは粛々と実現に向けて進める。

 

(質問2部分)

公共施設の全てを同様に建て替え、将来にわたって維持していくことは財政的に困難である。建て替え等にあたり、ライフスタイルの多様化や市民ニーズの変化などを的確に捉えて、防災・減災の視点から新たな時代にふさわしい施設を考え、新たに整備していく必要があると考えている。

 

(質問3部分)

介護保険制度は、多様な事業者によるサービス提供を基本とする。施設の整備やその運営を含め、介護サービスについては専門性を有する社会福祉法人や株式会社、NPO法人により提供されることが、運営面や利用者にとって効果的で有益であると考えている。

一方で、民間等のサービスでは対応できない場合も将来的には想定される。その場合には、公助としてのセーフティーネットの役割を果たす必要性もあると考えている。

 

(再質問)

自分が市長になってどうのこうのって、市長、私はそういうことを言っているのではないのである。何で高齢者の施設をあなたは造ったほうがいいと思っているんだと反論があったが、答えは簡単で、高齢化率の問題なのである。私自身が介護した経験でよくわかるのだが、ベッドで大半を過ごしている人間に対して在宅といってもこれは無理である。一定の整備を図ってきたとは言うが、その後どうなっていくと考えているのか、ここなのである。

5年後、10年後、先を見据えなきゃいけないんじゃないかという観点の質問なのである。その観点から、高齢者施設の増加は今のうちに考えるべきではないかという質問をしているのである。

よろしいか、私が市長になって変えたいとか、そういうことを言っているのではない。少し落ち着いてほしい。

 

さて、再質問に移る。新都市再生ビジョンは既存の公共施設の建て替えに関することがほとんどであり、新たに造るものとしては駅前再開発と天文台のまちづくりしかないという状況となっている。新たに造るという観点から、福祉の施設は、これらの優先順位に乗ってくる可能性がもうないのか。

 

(部長答弁)

各個別計画で整理していくのではないか。

 

(再質問)

策定予定の高齢者計画では介護系の施設の増設はない、これで合っているか。

それと今後増設とした場合にどのような、例えば待機の数が一気に増えるとかみたいな感じで、どのような条件があれば新設の可能性があると考えているのか。

 

(市長答弁)

あれだけ新都市再生ビジョンでいろいろ議論を尽くして、まだそういうことを言っているのか。一定の議論をしてあの計画ができたのである。状況が変われば変わる、それは当然。高齢者施設が民間で全然造らなくなって、そして、介護保険の前提となっていくようなそういう財源も全く違ってくるとすれば、それはまた別な形で、そのとき議論していただくしかない。

今議論することと、将来議論することが中身が違ってくるのは当然だ。だから、そのときの市長次第だろう。

民間でできるなら民間が優先だ。財源に限りがあるのだから。民間でできるところは民間でやってもらう。でも公共で頑張らなきゃいけないところは公共で先行してやる、それが大事なのである。

 

(再質問)

既存施設の転用について。高齢者向け施設に転用するという発想は、必要になっていくと思う。ただ、建設当時の補助の返還を求められるケースもある。

様々な施設を今後、高齢者向けに取りあえず一旦転用しようとなった場合に、都補助、国の補助で建てられた施設については、どのような財政リスクを伴うのか。

 

(部長答弁)

個別に検討するしかない。

 

(再質問)

となると、新しく高齢者施設を造らなければいけないとなった場合に、既存の施設を転用するときの、補助を返せだとかいろいろ言われるのを、まあまあそう言わずにと、三鷹市はこういう課題がありましてということを、何らかの制度で国や都に言えないものなのか。これは大きな課題になっていくと思う。

 

(市長答弁)

そういう市債をどう返還していくかは、額が少なければ返すかもしれないし、たくさんあるなら諦めるかもしれない。

 

(再質問)

私は今、市債のこと言っていない。国や都の補助を使って物を造った場合に、施設の目的を変える場合に、使ってしまった補助を返せと言われた場合にどうするのという話をしているのである。

そのときに一々交渉をするのではなくて、国策の在り方、都の政策の在り方として、このような自治体の事情に応じて方針転換をする場合には、一々国の補助返せ、都の補助を返せというようなことはしないということを自治体から求めていくべきではないかと聞いているのである。

借金のことではなく、補助の返還を求められたらどうするのということを見いているのである。

 

(市長答弁)

貸す側からすれば財政規律の問題がありますから、目的を全く違った形で転用するということについての一定のハードルはあるだろう。

(半田注:貸す借りるという話ではないと再質問したのですが、「貸す側」という言葉が来たので、これはもう根本的な理解ができていないのだなとこの時点で諦めました)

 

(再質問)

新たに造るのは難しい、施設の転用も難しいとなっていくと、それでも待ったなしでどんどんベッド数が増えざるを得ないという事態が仮にあった場合、民間の企業で、例えば市内に大きな本店、支店を持っている、そういうところが例えば移転をする、空き地になるみたいなところがあった場合に、そこを取りあえず定期借地で押さえて、そこの空き家屋を転用で借りるということも方策として考えなければいけないのではないか。

 

(副市長答弁)

今の段階では、特段新たな施設の整備を考えていないので、答えがたい。

 

以上になります。

 

需要増が見込まれる分野の施設の在り方を掘り下げたかったのですが、質問1の答弁(これは市長答弁でした)にあるように、選挙に通ってるからやるんだ、なんならお前が市長選に出ればいいじゃないか、的な答弁にとにかくびっくりしました。そういうことではないんですよね、落ち着いてくださいと、こちらがなだめ始める始末でした。

 

ひととおり動画を見られたら流れがわかると思いますが、今後ニーズ増が見込まれる分野につき、どう知恵を絞るべきかという質問をしているわけです。将来像の話をしているときに、その時の市長が考えるんだろという内容の答弁が来たのにも驚きました。何と言いましょうか、いいようのない喪失感に包まれた一般質問となりました。権力の一極集中って、やっぱり怖いことですね。改めて市議会の立ち位置を考えさせられる良いきっかけになりました。