三鷹市議会 令和5年第4回定例会 半田伸明の一般質問 今後の財政運営のあり方についてpart3 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和5年第4回定例会 半田伸明の一般質問 今後の財政運営のあり方についてpart3

今回は、当初予算編成時点で、基金の積み方に一定のルールを作るべきではないかという質問でした。

基金は残高目標があることにはあるのですが、当初の時点で財政調整基金には積まずにまちづくり施設整備基金に積むというのがどうもしっくりこなかったからです。

 

動画はこちらになります。

以下、流れを紹介します。

 

(冒頭の主張部分)

当初予算編成時点で各基金積み立ての在りようにつき、一定のルールを設けるべきである。

 

(質問)

各基金の在り方について

 

1)今年度当初予算時点で、財政調整基金の積み立ては全くない一方で、まちづくり施設整備基金の積み立ては2億あった。リーマンショックを振り返ればむしろ財政調整基金を増やすべきだったと考えているが、改めて今年度当初予算においてそのような予算編成とした背景を聞く。

 

2) 財政調整基金の残高はどうあるべきか、実はルールはあるようでない。よく聞こえてくるのは、標準財政規模の1割から2割は必要という話だ。過去を振り返ると、税収は伸び続けてはいるものの、見方を変えればその分支出も増えることになるのであり、その意味でリスクも税収に比例して増えていると考える。ここを考えると、標準財政規模の2割を目標として、できれば100億くらいの残高を目標にすべきではないかと考える。所見を伺う。

 

3)庁舎等建設基金はずっといわば塩漬け状態である。もちろん長期的な視野はよくわかるのだが、このまま塩漬け状態とするのは理解を得られないのではないか。時機を見て全額財政調整基金に移すなど考えるべきではないか。所見を伺う。

 

4)健康福祉基金の残高について、民生費の拡大に合わせて比例的に増やしていくべきではないかと考える。所見を伺う。

 

5)子ども・子育て基金の残高について、例えば児童数に比例させるなど一定のルールを設けることはできないか。所見を伺う。

 

(答弁要旨)

(質問1部分)

三鷹市都市経営アクションプラン2022では、財政調整基金の残高の目標額は50億円としているが、まちづくり施設整備基金は計画的な積立てとしている。

令和5年度当初予算編成時、財政調整基金の残高見込みは約52億円だった。一方、まちづくり施設整備基金は、今後、駅前再開発や国立天文台周辺地域のまちづくりへの取組などの多額の経費が見込まれることから、当初予算の段階から計画的に財源を確保するため、積み立てることとした。

 

(質問2部分)

財政調整基金は、将来の負担リスクや災害などの突発的な事態への対応に備えるため、一定の資金を確保しておく必要がある。

平成22年度予算で、リーマンショックの影響もあり市税収入が前年度比約20億円の減収となった。その時の財政調整基金取崩しが16億円だった。3年間程度の財源不足に対応できるよう、目標額を50億円と設定した。この額は標準財政規模の約1割程度となっている。突発的な事態に適切に対応していくためには、財政規模も踏まえた残高が必要である。今後の第5次基本計画期間における残高については、財政フレームを試算する中で、適切な目標額を検討する。

 

(質問3部分)

庁舎の長寿命化や、ゼロ円庁舎の検討を踏まえながら、慎重に検討を進める。

 

(質問4.5部分)

健康福祉基金及び子ども・子育て基金の目標額は、リーマンショック後の平成22年度予算での健康福祉基金取崩額11億円の3年分を基礎としている。

民生費の一般財源が平成22年度当初予算比で18%の増となっていることなどを踏まえて、各基金20億円と設定しているものである。

 

(再質問)

市長に端的に言う。自分のやりたいことに基金を優先して積み立て、市民生活をどう守るかの観点が後回しだったのではないか。

 

(市長答弁)

全体のバランスを取っている。私の勝手で、私のやりたいことだけ基金を積み立てているということはない。

 

(再質問)

財政調整基金に全く積まない、まちづくり施設整備基金だけ積み上げていくというのは、根本的にいかがなものかという問題提起である。

リーマンショックのときに発行した臨時財政対策債という借金がある。確か3年続いた。その3年分の臨時財政対策債の発行の総合計は幾らか。

 

(部長答弁)

平成22年度予算の臨時財政対策債の発行額21億である。なおその後、臨時財政対策債の発行はできなくなっている。

 

(再質問)

となると、21億の部分はなぜリスクに見てないのかとなっていくのである。

先に答弁があった16億の3年分という理屈はわかるが、財政調整基金取崩しの他に、臨時財政対策債というお財布があったわけである。それが、もうないのである。そのリスクを上乗せした財政調整基金の残高を新たに設定するべきではないか。臨時財政対策債の当時の発行分を上乗せするのが筋だろう。そのことを考えていないまま財政調整基金の目標額が50億というのは、リスクをきちんと想定し切れてないと言いたくもなる。

 

(部長答弁)

財政調整基金の取崩しと臨時財政対策債を合わせると37億円の取崩しが必要だとなるが、22年度以降、事務事業総点検運動とかで臨時財政対策債に依存しないような形での財政構造の転換を図ってきたこともある。臨時財政対策債の発行借り入れ可能という部分を見込まない中でも一定程度のリスクに耐え得るだろうという考えで50億という設定にしている。

 

(再質問)

子ども・子育て基金について。令和2年に策定した都市経営アクションプラン2022の後に、1人1台タブレットが発生した。あの時、一般財源から相当出させられた。億単位のお金がいきなりだったことを覚えている。あれがまた来るのである。つまり、新たなリスクが発生しているのである。そのようなリスクを上乗せした金額にすべきだ。

 

(市長答弁)

1人1台タブレットをあのとき実現していなかったら、子どもたちの教育を含めて非常に後手に回っていただろう。

 

(再質問)

私は1人1台タブレットの是非言っているのではない。今後の子ども・子育て基金の残高の在り方をどうすべきかという問題提起をしているのである。

 

(副市長答弁)

子ども・子育て基金が幾らあればいいかは、次のステップで考えるべきことだと思っている。

これからやろうとしている歳出側の全体像と、それに見合う形での基金の枠を検討していくことになる。

 

(再質問)

まちづくり施設整備基金について。計画的な積み立てとあるが、そもそも計画がないようなものだ。毎年何億という計画がそもそもないではないか。

 

(部長答弁)

今回は、一定程度公債費の減額分というの財源確保で図れたといったところがあったので、今回はまち基金に積んだ。

 

(再質問)

公債費の枠空きの分を積んだということを言いたいのだろうが、それは単年度ごとの事情であり、そのことをもって計画的な積立てとは言わないだろう。

 

(副市長答弁)

指摘もっともだが、今の段階では最終的な総事業費全体が示せない。

 

(再質問)

全体事業費が分からないのに計画的な積立てというのは、そもそもおかしいではないか。

 

(副市長答弁)

いい加減なことをやっているのではない。しっかりと対応する。

 

以上になります。

 

リーマンショック時に基金をいくら使ったというだけでなく、臨時財政対策債という借金をしてまでやって、何とか乗り切った、その借金部分がもう今後できないからそれをどう考えているの?という問題提起でもありました。

答えは簡単で、当時取り崩した財政調整基金の額と、発行した臨時財政対策債の総合計を、財政調整基金の目標にすべきということなのです。その数字に、税収の伸び率を掛け合わせると、もう少し大きめの目標となりますが、私はこれでよいと考えているのです。

 

前回の定例会で急激な景気悪化の場合どうすべきかについて質問しましたが、今回はその延長線上にある問題なのです。行政というものは、いざショックが迫ってきて、その場になって初めてなんとか行革だのなんだので乗り切っていくのですが、確かに単年度予算主義を考えると仕方がないのですが、事の本質は、次にリーマン級が来たらはたしてわが市はやっていけるのかを、今のうちに想定しておくことが大事だということです。

 

こう考えると、財政調整基金の更なる上の目標を設定するのが先であり、それすらせずにまちづくり施設整備基金に「のみ」基金を積み立てるというのは、やりたいことを優先しているといわれても仕方がないことだと思いますね。

 

何をやりたいか?これを考えるのは簡単で楽しいです。

何を絶対に守りやらなければならないか?これを考えるのはつらいことです。

 

私たちは、後者を常に考え続けなければならないのです。それが私たちの唯一の職責なのです。