三鷹市議会 令和3年第4回定例会 議案上程 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和3年第4回定例会 議案上程

上程理由説明の動画はこちらをどうぞ。

まずは一般議案です。議案概要はこちらをどうぞ。
議案本体はこちらをどうぞ。
以下、概要の番号順に説明します。

3.5)→法改正に連動するものです。
特に5ですが、「指定代理者による納付」とは従来クレジットカードを前提としていたのですが、近年のなんとかペイといわれるいわゆる支払方法多様化により、運用では限界があり、「指定納付者受託者による納付」となったとのことでした。確かに運用で限界があるものは、法改正が筋ですね。その連動モノというわけです。

4)→新たに駐輪場設置、かつ廃止もあります。
利用実績に伴い廃止の方はわかりますが、新設の方が気になりました。いわゆる原付が止められる希少価値の高いところのようですが、現状は民営でありそれを市営にするというわけです。市営にしなければならない実情についてですが、貸主の事情があるようです。
また、これに合わせて、8)で指定管理者の案件があります。他と一体管理ということで、まちづくり三鷹にということです。一体管理というのは了解しました。

6.7)→これら2件はいずれも指定管理者の再指定案件です。従来通りというわけですが、川上郷自然の村は廃止を主張していますので、反対で考えています。

次に補正予算案です。
なお、マイナンバー関連と国で議論されている子どもへの給付につき、緊急に11号が発生しました。採決はこちらが先だったので、結局これが10号となります。
総括表はこちらを(10号)。
説明書はこちらを(10号)。

次に11号です。
総括表はこちらを(11号)。
説明書はこちらを(11号)。

まず10号から。
マイナンバーカード交付体制強化と、子育て世帯への特別給付金の2つです。
前者ですが、マイナンバーカードのポイント事業そのものを市がやるわけではなくて、問い合わせなどが増えるだろうから体制を拡充しましょうという話です。ですので、補正予算自体は、窓口体制充実のための費用ということです。しかも、全額国からの交付金、特に問題はないですね。

後者ですが、ニュースなどで大騒ぎになりましたが、我々自治体としては、ただ淡々と事務をこなすだけです。現状は5万を2回で、最初の5万を国の予備費で対応というわけです。市としては確かに負担になりますが、まぁ仕方がないですね。

次に補正予算案10号です。これは多岐に分かれますので、以下、順次紹介します(千円単位切り捨て)。

12月の補正予算案は、前年度決算確定に伴う「精算」という作業が発生します。国や都から貰いすぎていたものは返す、足りない分は追加で貰うといったもので、要は最終確定ですね。
予算というのは、「予」つまり「あらかじめ」の見積もりであり、きちんとした数字というわけにはいかないことは多々あります。この精算に伴うものは、いわばこの季節の風物詩のようなものです。
この返す財源がポイントになります。この意味で、ある程度余りが発生するようにしなければならないのです。これを前年度繰越金という表現をします。

では、令和2年度いくら余りが発生したのかとなりますが、これは決算概要の最初のページにあります。
令和2年度各会計決算概要(1)

これを見ると、一般会計が27億8248万、国保が1億6969万、介護サービスが307万、介護保険が1億5435万、後期高齢者が602万とあります。
特に一般会計は、予算時点で10億余らせるという設定になっています。ですので、実際は17億8248万となります。
この余りを財源に補正予算案が組まれています。

1)貰い過ぎを国に返す。2億5793万。
→コロナの影響で保育園などが利用制限となり、実績が落ちた分、国から貰っていたのが多すぎとなり、返還というわけです。

2)マイナンバーカード等関連事務を委任している地方公共団体情報システム機構への交付金につき、国の予算を反映して上乗せ。2157万。全額国から。
→国からくるが、そのまま機構にというわけで、トンネルみたいなものですね(冗談)。

3)認証保育所跡地に、待機児童数の多い1.2歳児を対象とした定期利用保育施設を整備。1781万。都から220万、利用料金収入で120万。
→都からの220万ですが、園児1人当たりの単価に日数をかけてなど、一定の算式があり、対象基本額441万の1/2補助です。
つまり、その分持ち出しが多いことになります。とはいえ、待機児童数を考えると致し方ないですね。

4)二小・井口小、五小、中原小に学童保育所分室設置。1440万。
→全額持ち出しです。学童も待機状況を考えると致し方ありません。五小、中原小は学校内ということのようですが、二小・井口小は二中に設置となります。

5)井口特設グラウンド土壌汚染対策に1864万。
→そもそも、ここを売って防災公園・元気創造プラザ事業だったわけです。結局売らないまま財政がいびつなことになっている点は引き続きおかしいと言い続けていくつもりです。
もともとここは工場でした。防災公園関連の議案の時に、井口のこの土地の売却で53億内入れという話だったのですが、思えばその議案審議の時に「本当に53億になるの?」と、その時点で土壌調査をさせるべきでした。これは、私自身も反省です。今後は行政の出す数字を鵜吞みにしないと考えています。
とはいえ、汚染された土壌対策でこの程度で済むとは驚きでした。

6)東京都に委託している常備消防の負担金が、令和2年度国勢調査の結果を踏まえ、当初の見込みを上回ることになり、1億669万を都へ。
→国勢調査の度に連動するようです。5年置きにこのリスクが発生することになりますね。決まり事なので致し方ありません。

7)学校三部制の導入を通した子供の居場所づくりに取り組む。894万。及び、農業を題材とした放課後プログラム事業の拡大を図る。50万。全部都から。
→学校三部制とは最近言われ始めているようですが、通常の学校教育→子供の放課後の居場所→夜間教育の開放ということのようです。
学校側としては、子どもの荷物などで紛失などあると責任問題になるという問題があります。この為放課後その教室が子供の居場所とはなかなかならないという側面がありました。今回、ロッカーにつきシャッター付きのものにすることによって防犯性を考慮するということのようです。実際は既存ロッカーの撤去、新規ロッカーの購入というだけの話です。モデル事業として六小からのスタートです。
後者の50万ですが、いまいちよくわかりませんね。四中でやるようです。この手のポコンと出てくるのは大抵消えていきますが、今回はどうでしょうか。
とはいえ、全額都からですので、この点は了解です。なお、都補助は、1330万であり、余分が発生しますが、これは既存の財政調整基金取り崩しを減らす方向での調整です。

8)中学校の修学旅行延期に伴うキャンセル料肩代わり。611万。
→これは仕方ないですね。コロナの影響はいつ治まるのでしょうか。

9)防災公園事業債の繰上償還。6億。
→かねてから問題提起してきたものです。余りが出た以上、ここに充てるのは当然という考えです。

以上になります。
なお、先行して市でやっていた事業に後付けで都補助が付くという嬉しいことが発生しています。これが3194万、また介護保険事業特別会計へ出していた資金の返還、これが621万。これらで足りないのを、前年度の余りで10億1199万使うという補正予算案になっています。

以上が一般会計補正です。この他に特別会計でいくつか補正があります。

<国保>
前年度の余りで、国からの貰い過ぎを返す。1億3085万。
→コロナによる受診控えが影響したようですね。

<介護保険>
前年度の余り1億5435万を法定負担割合に応じて配分。国に1億837万返す、一般会計から借りていた分を621万戻す、支払基金交付金、そして基金積み立てなど。
→介護保険はシステマティックなものです。まさに機械的配分ですね。

<後期高齢者>
前年度の余りで、人件費の足らない分を捻出。433万。
→これは国保や介護保険と事情が全然違います。
今年度当初に人事異動があり、足らない分を今頃出してきたというわけです。要するに事務ミスですね。

<下水道>
次年度にやる下水道長寿命化事業のうち、579万につき先に債務負担行為設定。
→余裕期間制度という表現をするようですが、要は工事が一定期間に集中するのをなるべく平準化するというものです。

また、この下水道のように、一般会計でも余裕期間制度の案件が発生しています。総括表をご覧ください。
このうち、庁内通信回線改修と、本庁舎排水配管改修、駅前コミセン外壁改修の3つは、いずれも老朽化に伴う事業です。
また、余裕期間制度が道路事業にも一部あります。市道路面整備ですね。
大沢野川グラウンド復旧で7億と大金ですが、これは全額都からくることになったようです。都と交渉した当時の担当の方のご努力に頭が下がりますね。この場を借りてお礼を申し上げます。
なお、債務負担行為であと2つ。市税等収納代行業務委託の増と、自然教室バス借上料の増です。前者は対象を保育料になどに拡大すること、後者はもともとコロナが収まっているだろうと通常通りの予算を組んだが、まだまだ大変なので増額ということのようです。

以上、だらだらと長くなりましたが、かなり盛り沢山の補正予算案となっております。

なお、各特別会計の予算については、こちらにあるのでどうぞ。

さて、以上を踏まえて気になることをいくつかピックアップします。
1)川上郷自然の村につきどう考えるか?
かねてから廃止を主張してきたので反対の方向で考えていますが、自然教室などでコミュニティスクールの発想から学園単位というわけで、複数の小学校が一緒にという流れがありました。
しかし、コロナにより現状は単独校となっています。

2)防災公園事業債内入れ6億の後をどう考えるか?
いわゆる今後の返済条件ですね。ここは今いろいろと考えているところです。

こんなところでしょうか。
川上郷の指定管理者の案件以外は、賛成の方向で臨む予定です。

これで議案の紹介は以上になります。

さて、昨日の議会運営委員会で、即決付託につき次のように決まりました。議案概要の番号で書いておきます(既に番号1と2は採決済です)

<即決→12/7>
5)、国保・後期高齢者医療・下水道の各特別会計の補正予算案

<総務→12/8>
一般会計補正予算案11号と、介護保険事業特別会計の補正予算案

<文教→12/13>
6)

<厚生→12/10>
7)

<まちづくり環境→12/9>
3)4)8)

いつもですと、即決議案の前日にこの議案上程のブログにつきエントリーするのですが、補正予算案の号数が入れ替えとなったことにより、今日にずれました。
いうまでもなく、遅筆もあるんですがね(恥)。遅くなりすみませんでした。

次のエントリーは、議案審査参考資料をまとめたものをアップする予定です。