三鷹市議会 令和3年第2回臨時会 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和3年第2回臨時会

7/30臨時会、補正予算案1件の審議でした。次の定例会は9月ですが、それでは間に合わないものの予算につき計上されたものです。

補正予算案総括表
議案

以下、総括表4Pに従い、個別に書いておきます。

<敬老のつどいの中止とお食事クーポン券の配布>
前年度に引き続きというわけです。
もともと、敬老のつどいは例年600万台の執行です。それが10倍近くに膨れ上がっているというわけです。
そもそもコロナワクチンは高齢者優先で、いわば接種した安全圏の方に施しを、接種できていない若手には何ら施しがないと、こういうわけです。このことに気づいたときに、本補正予算案に反対する決意を固めました。若手から文句が出たらどうするのでしょうか。貴重な基金を取り崩してまで、世代間格差論争につながりかねない事業をする意味はないのです。

とはいえ、私も支援者の中に高齢者はもちろんいます。正直迷いました。票が逃げるだろうなと。
しかし、「おかしいことをおかしいと言う」が私の信条であり、打算的に動くのは政治家として間違っていると最終判断しました。

<新型コロナウイルスワクチン接種の加速化>
7月頭にワクチン不足が言われ始めてから、予約の新規停止など大混乱が発生しました。
スムーズに推移することを祈るしかないですね。

<デリバリー三鷹の宅配体制拡充及び期間延長>
民間でウーバーイーツなどがあるのに、なぜこの事業が存続し続けるのか、これが不思議でした。
もっとも、スタート時点は意味のあるものでした。雇用確保の意味合いが強かったからです。
しかし、宅配の距離制限の問題などがあり、私が住む七中学区は実質的な恩恵がありません。かねてからこれはダメだなと思っていましたが、今回を契機に廃止を主張しようと決めました。結果的には、地域間格差をもたらすものになってしまっているからです。

<感染防止対策のための環境整備の支援>
これは特段問題なしと考えました。

以上より、お食事券配布とデリバリー三鷹につき、それぞれ世代間格差、地域間格差を助長させるものであるという最終判断をして、本補正予算案には反対しました。以下、本会議場で述べた反対討論になります。

<反対討論>
3点指摘します。

まず1点目、敬老のつどい中止の代償として77歳以上の市民に敬老お食事クーポン券を配る点についてです。

決算ベースで敬老のつどい事業は例年600万台でしたが、コロナ禍の影響で中止になる一方本件により6000万台と10倍近くの増となっています。

直近のコロナワクチンの接種状況を見ますと、65歳以上の方の2回目接種まで済まされた方の割合は7割台ですが、一方、40~64歳の方の場合はそれがまだ1割という状況です。
市民の関心はコロナワクチンに絞られているといってよい状況です。高齢者から接種を優先というのはわかりますが、接種を済まされた方に一般財源を4000万以上使ってお食事クーポン券を配る一方、若手は接種をまだまだ我慢という状況であり、いわば安全圏の方により手厚く、そうでない方には今しばらくの我慢を、こういう状況です。

本来我慢をしている層に施すべきであり、安全圏の方により手厚くというのは、税の使い方として世代間格差を助長させるものであり、いわゆる現役世代の皆さんの納得が得られるとは到底思えません。

次に2点目、ワクチン接種加速化についてです。喜ばしいことですが、この点は1点問題提起をしておきます。

そもそもわが市議会ではワクチン接種の現場の皆さんにご迷惑とならないよう、個々の議員が問い合わせるのではなく議長に集約する形で事務局が段取りをする形になっています。これは現場の対議会コストを削減すべきという、いわば議会側からの大幅な譲歩です。

大事なことは、個々の議員が勝手にやらないからと言って、行政が議会側に情報を出さなくて良いというわけではないという点です。

ここで大事なのは、どのターゲットが一番大変だったかです。1回目予約したが接種できていない、もしくは1回目予約すらできない、この層ははっきり言えばごめんなさいで済みます。ないものはないからです。
問題なのは、1回目受けた方が無事に2回目を受けられるか、この点なのです。

緊急対応方針など説明機会がある場面のみ議会側に情報提供があるだけで、1回目接種できたが2回目はわからないという層はどうなっているのかにつき、とうとう情報提供がないままです。で、今回の補正でようやく説明というわけです。加速化が見込めなかったら、永遠に情報提供がないままだったのでしょうか。
ワクチン不足がニュースになる時点で、市長が議長に今後どのような情報提供をしていくべきかをきちんと相談すべきでした。この点は厳しく指摘しておきたいと思います。

また、議会側も、議長に集約という譲歩をやめて好き勝手に質問して良いかもしれませんね。譲歩した意味がないことが判明した以上こうなります。代表者会議でよろしく議論してください。

さらに3点目、デリバリー三鷹の期間延長です。
基金取り崩し2600万台かけてまでやる必要はありません。

もっとも、導入当初は意味がある事業でした。しかし、もう随分時間がたっています。ましてや宅配の距離制限の問題があり、野崎大沢などいわゆる南部の人たちには実質的に恩恵がありません。税は地域間格差をもたらすものであってはなりません。

同様の事業が民間である以上、導入そのものには意味がありましたが、本事業は出口戦略を考えなければなりません。廃止の議論をすべきです。

まとめます。
お食事券にしろ、デリバリー三鷹にしろ、コロナ禍の新たな事業がいわば現状維持を超えて焼け太りしているわけです。世代間格差、地域間格差を助長する方向性には同意できません。税の使い方として間違っていると最終判断しました。

以上より反対します。

以上になります。この反対討論を述べている場面は、こちらを。
1時間30分30秒からになります。

あの大騒ぎになった商品券事業以来の、久しぶりの反対でした。あの時は5割プレミアムは行き過ぎだと批判しましたが、結果としてフタを開けてみれば大混乱になってしまったわけです。
今回はそこまでの混乱は発生しないとみていますが、どうでしょうか。

この業界にいますと、やれ与党か?野党か?とか、市長に近いのか違うのか?とか、市長を応援するのかしないのか?と、くだらんことをよく言われます。

なぜくだらないと思うのか?
これらの発想は所詮「ムラ」の発想だからです。私は「無所属」というのを敢えて会派名にしています。これは、どこの「ムラ」にも属さないという、私の強い意志の表れです。

もっとも、政権交代があり河村市長になってから、自民が分裂するなど、とにかく不安定な状況が続きました。落ち着くまでは全体を見渡すよう配慮しようという姿勢で、上半期2年が経過しました。
おぼろげながら、私の目から見て、令和自公民諸派女性2名の体制が見えてきました。正直申し上げて、ようやく肩の荷が下りた気分です。とにかく過半数が見込める体制が見え始めれば、私は元のように自由にやると決めていました。かといって、野党とか、そういう小さな話ではありません。野党云々も所詮は「ムラ」の発想です。

ポイントは、与党野党関係のない、「第三者を貫く」という点にあるのです。

与党であろうが野党であろうが、「なるほど、半田の言い分は一理ある」と納得してしまうような、そういう討論を心がけていきます。